ちょっと面白かった話。 『人生の旅をゆく』(よしもとばなな著・幻冬舎文庫)より。 しかし、店長は言った。ばかみたいにまじめな顔でだ。 「こういうことを一度許してしまいますと、きりがなくなるのです」 いったい何のきりなのかよくわからないが、店の人がそこまで大ごとと感じるならまあしかたない、とみな怒るでもなくお会計をして店を出た。そして道ばたで楽しく回し飲みをしてしゃべった。 もしも店長がもうちょっと頭がよかったら、私たちのちょっと異様な年齢層やルックスや話し方を見てすぐに、みながそれぞれの仕事のうえでかなりの人脈を持っているということがわかるはずだ。 (中略) そしてその瞬間に、彼はまた持ち込みが起こるすべてのリスクとひきかえに、その人たちがそれぞれに連れてくるかもしれなかった大勢のお客さんを全部失ったわけだ。 http://www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/day?id=