2007年01月09日 自己愛憤怒? [医学・科学関連, ニュース] いまやTVワイドショー報道の格好のネタにされているこの事件(ウェブ魚拓)であるが、これを論評する識者の1人として、かの和田秀樹氏がやたらに「自己愛憤怒」という言葉を連発していたのが印象的であった。 自己愛憤怒という言葉は、自己心理学なる精神分析学分派の創始者として知られる精神医学者コフートが使った言葉の筈で、自己愛型人格障害者がその自己愛的価値観を傷つけられるような他者の言葉や態度に、異様なまでの怒りを示し執拗な反撃を行うことを意味していたと記憶している。 はっきりいって、こういう概念は家族や関係者に対して、困った人のあしらい方テクニックを説明する時には多少役に立つが、それ以上のものではない。そもそも、人はなにがしかの自己愛を抱えて生きているもので、問題になるのは、それがあまりに非現実的な幻想的万能感のようなものである