「あくび指南」など、習い事をテーマにした落語は多い。 「習い事」は暇つぶしに学ぶもので、真剣にプロフェッショナルに学ぶものではない。師匠もプロを養成しようとははなから思っておらず、あまり厳しく教えたりすると教え子からクビになったり破門されたりするので(笑)、そこはおべっかを使いながら、ユルユルと教えるのである。 さて、ここ5年くらいのことだが、医学生の学びが「習い事」化している場面を散見する。 特に顕著なのが、私立大学や大都市圏の大学だ。ぼくは全国の医学部を網羅的に知悉しているわけではないので、自分のささやかな経験と、他の先生方から教えていただいた内容から得た限定的な印象でしかないが、教員が学生におべっかを使い、手取り足取り、箸の上げ下げまで丁寧に教え、項目の勘所をパワポのハンドアウトで要約し、テストに出そうなところは授業で教え、「試験にでる」スライドをスマホでパシャパシャ撮影させ、という