コンセプチュアル・アートの黎明期に活躍したスタンリー・ブラウンStanley Brouwnは興味深い作家だ。 名前は知られているが、現物を観るチャンスは限りなく少ない。国内では絶望的だ。 60年代、70年代の主要な国際展に参加していてもカタログの本人のページにはいつも名前の下に「作家の意向により作品の記録は掲載できません」とあるだけで作品が掲載されることはなかった。記録画像もないのである。 その代わり彼は主に本の体裁をとったマルチプル作品を出版した。一般的には、距離と方角を扱う脱物質化の作家と紹介される。 ブラウンの作品はどういうものかというと歩くことで空間をリアライズさせることである。 作品としての基本形は以下のようなものである。 1m 1step 1foot 上の文字がその長さの線と一緒に添えられている。それが彼の作品の基本形だ。 さて、これは何を言っているのか。大雑把な言いか