◇障害理解せぬ判決繰り返すな 強制わいせつの被害を訴えた宮崎県在住の知的障害者の女性(30)について、知的障害を理由に検察官の起訴を無効と判断した判決が昨年末、福岡高裁宮崎支部で破棄された。「被害者は、供述調書と告訴状の違いを説明できない」。そんな理由で被害者の訴えを門前払いした1審のような判決がなぜ出てしまったのか。私は関係者の話を聞いて回り、障害者に対する司法の理解不足と、「司法過疎地域」の問題を強く感じた。 ◇告訴能力否定し1審は起訴無効 この裁判は、飯干広幸被告(61)が09年2月、被害女性を誘い出して車に乗せ、わいせつな行為をしたとして起訴された。宮崎地裁延岡支部は同年9月、検察官の起訴を無効とする判決を出した。 3カ月前、法廷に被害女性を呼んだ尋問で、裁判官は、事件後、警察官などに事情を聴かれて作られた「供述調書」と「告訴状」の意味の違いを女性に尋ねた。口調はやさしくとも、障害