Published 2023/12/28 21:14 (JST) Updated 2023/12/28 21:32 (JST) 京都市南区で創業から約70年続いた銭湯が大みそかに閉店する。燃料高騰や地域の高齢化など、巡る時代の中で店じまいの決断をした銭湯を訪ねた。 JR京都駅から南東へ約1キロ、その銭湯は狭い路地の奥にひっそりとたたずんでいた。屋号は「松湯」、のれんをくぐると昔ながらの番台から店主の若林作さん(78)が「いらっしゃい」と迎え入れた。れんが模様の壁や年季の入ったロッカーがある脱衣所では、演歌が流れる。元日を除いて年中無休で、時が止まったような場所だった。 決心したのは今年。新型コロナウイルス禍で少しずつ遠のいた客足は、元には戻らなかった。客の多くは地域の高齢者。若林さんは「1人減り、2人減りと、ここ1、2年で20人くらい常連さんが来なくなった。毎日が赤字になって、従業員の月給