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ブックマーク / magazine-k.jp (14)

  • 無名の新人が書いた地味な分野の本に、ありえないほど長いタイトルをつけて売ろうとした人文書出版社の話

    ある日、いつものようにツイッターを立ち上げてタイムラインをぼんやり眺めていたら、なんだかとてつもなく長いタイトルのについてのツイートが流れてきた。発信者はそのの版元の編集者で、題名は『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する』――カギカッコを含めて60文字もある。ただ長いだけではない。一つひとつの言葉に見覚えはあるが、そのつながりがよくわからない。いったい「舞姫」と「アフリカ人」がどうつながるんだろう? タイトルだけではまったく内容の想像がつかないので、書店にでかけたときに立ち読みをしてみた。思ったより、ちゃんとしてる――というのも変だが、そう感じた。なにしろ版元はあの柏書房である。私はアルベルト・マングェルの『読書歴史 あるいは読者の歴史』やアレッサンドロ・マルツォ・マーニョの『そのとき、が生まれた』

    無名の新人が書いた地味な分野の本に、ありえないほど長いタイトルをつけて売ろうとした人文書出版社の話
    Nean
    Nean 2019/06/18
    ご尊顔を仰ぐ。
  • Book as a Service, サービスとしての電子書籍

    現在、多くの電子書籍事業は「半永久的な貸」の体裁をとっています。でもこのサービスにも販売にもなりきれない形態が、多くの問題や不満を引き起こしている気がします。私は出版、書籍流通、書店のいずれにも属さずその領域の「モノを知らない」ただの読者ですが、私のフィールドであるクラウドコンピューティングの視点から、クラウドサービスの定義に沿った「Book as a Service」という考え方を提案してみます。 自転車操業に見える現在の電子書籍「業」 先月、TSUTAYA.com eBOOKsがサービスを終了すると発表しました。利用者の購入済タイトルはBookLiveが引継ぎ、引き継げないタイトルは購入金額分のT-Pointで補償するとのことです。これまでにも多くの電子書籍サービスが、サービス終了時にはポイント等での補償をしてきました。 でもなぜ補償するのでしょう? 電子書籍事業が「電子書籍を売る(

    Book as a Service, サービスとしての電子書籍
    Nean
    Nean 2014/11/10
    まだ電子書籍は信用出来ないという結論になっちゃうなぁ、僕にとっては。
  • 児童ポルノ法改正の何が問題なのか

    「児童ポルノ法の改正案が出るって当ですか?」 エロ漫画電子書籍の編集者から、こんな電話をもらったのは今年の3月だった。日経済新聞(3月10日付)が、自民・公明両党が、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」(児童買春・児童ポルノ処罰法)の改正案を提出するために、調整に入った、と報じたからだ。(日経新聞の記事) 私はその記事を見逃していた。多少は話題となったものの、ネットでもほとんど話題になっていなかった。また他のメディアも、この動きについてその後も報じなかった。そのため、まさかその数ヶ月後に「児童買春・児童ポルノ処罰法」の改正案が提出されるとは思ってもみなかった。 結局、第183通常国会は、衆参のねじれによって、参議院で安倍晋三総理への問責決議が可決されたために、6月26日に閉会した。同時に、自民、公明、維新の3党の議員から提出されていた「児童買春・児童

    Nean
    Nean 2013/10/13
    “処罰対象を限定している民主党案は 「児童ボルノ」の定義も見直していたが…”……ここだけ「ボルノ」になってる。
  • 『はだしのゲン』閉架問題が問いかけること

    終戦記念日を迎えてすぐ、反戦マンガとして知られる『はだしのゲン』の全巻が島根県松江市の小中学校の学校図書館で、昨年12月以来閉架扱いになっていたというニュースが伝えられた。昨年、作者の中沢啓治氏は死去しているが、平和教育の教科書的存在でもあった同書の学校図書館での扱いを巡って、議論が巻き起こっている。 封印された「はだしのゲン」 既報のとおり、一部の「市民」が、『はだしのゲン』は「歴史認識に問題あり」として、同書を学校図書館から撤去するよう、陳情を繰り返していた。いったんは松江市議会でこの陳情は否決されたが、その後、市の教育委員会が「内容をあらためて確認」した結果、「過激なシーン」の存在を問題視して、松江市内の小中学校の学校図書館において全巻を閉架処置としたものだ。 閉架に収められている書目が検索でき、必要に応じリクエストできる公共図書館と異なり、今回のような学校図書館での閉架処置となると

    『はだしのゲン』閉架問題が問いかけること
    Nean
    Nean 2013/08/24
    《議論が巻き起こっている》。ここで「巻き起こる」は珍しいのでは。
  • ワシントン・ポストをベゾスが買ったワケ

    アマゾンCEOのジェフ・ベゾスがワシントン・ポスト紙を買収、というニュースに椅子から転げ落ちた。ポストの記者もI was floored.とツイッターでつぶやいていたので、誰にとっても青天の霹靂といったところだろう。 私は一瞬「アマゾンが?」と思ったのだが、これは間違いで、一説には250億ドルとも言われるベゾスの個人資産の中からワシントン・ポスト紙とその関連企業を2億5000万ドルで買い取ったという話。ってことは彼にとってはこの大金もお財布の1%というハシタ金。1万円持ってたから100円使ったった、みたいな。 とりあえずこのニュースのバックグランドを説明しよう。どういう影響がありそうかも。 首都ワシントンのリベラル系老舗紙 ワシントン・ポストは言わずと知れた創業135年という老舗。ニューヨーク・タイムズ、ロサンゼルス・タイムズと並び全米で影響力の大きい新聞で、社が首都ワシントンというのも

    ワシントン・ポストをベゾスが買ったワケ
  • 無料貸本屋でどこがわるい?

    PR誌『みすず』に連載中から愛読していた宮田昇さんの文章が『図書館に通う』というにまとまった。「当世『公立無料貸屋』事情」というサブタイトルがついている。 著者は私のちょうど十歳上。戦後まもなく就職した早川書房からタトル商会に移り、米軍占領下にはじまる混乱した著作権問題に素手でとりくみつづけた方である。そのあたりのことは私もすでに『翻訳権の戦後史』や『戦後「翻訳」風雲録』などの著書で知っていた。その出版界の大先達が、いまや私同様、ひとりの退職老人として公立図書館のヘビーユーザーと化していたとはね。 ほどなく消えてゆく身で、手持ちのをこれ以上ふやしたくない。経済的な事情もまったくないわけではないらしい。退職老人の後輩としては、そうした著者のつぶやきの一つひとつが身にしみる。 仕事をやめた宮田さんは、暇にまかせて、じぶんの街の図書館で高村薫や宮部みゆきや桐野夏生の作品をまとめて読み、これ

    無料貸本屋でどこがわるい?
    Nean
    Nean 2013/07/10
  • 第4回 持ち主を亡くした本はどこへ行くのか

    原稿書きを長時間やり過ぎると首がちぎれそうになるほど痛くなる。そんなときは決まって、近所の整体院に行くことにしている。約一時間、足腰肩首と足の裏でぎゅーっと踏まれ、首や腰を捻られバキバキと関節を鳴らしてもらうと、さあまたがんばろうという気になる。一人で切り盛りしている店なので、指名するまでもなく整体師はいつもMさんだ。5年ぐらい通っているので、すっかり顔なじみだし、施術中は必ず話に花が咲く。 7月だっただろうか。Mさんは珍しく僕に相談を持ちかけてきたことがある。それは、施術後、腰や首のこりが軽減され、身軽になったときのことだった。 「祖父の遺した蔵書を処分したいのですが、信用できる古屋、知りませんか」 聞けば、だいぶ前に亡くなったお祖父さまの蔵書なのだという。 「祖父は詩人で大学教員もしていました。勤務した大学に蔵書を一部寄付しましたがまだまだ沢山あるんです」 にまつわることを取材して

    Nean
    Nean 2012/09/14
    これに出て来る「わめぞ」って、 @team_wamezo さんのことですね。
  • 第1回 本で床は抜けるのか

    木造二階建てアパートの二階にある4畳半の部屋に仕事場を移したところ、畳がすべて荷物で埋まってしまった。部屋の壁際三辺は立て掛けた棚や分解した机で覆われ、部屋の大部分を占めるそれ以外のスペースは高さ約30センチのの束で埋め尽くされた。 部屋の真ん中にいる僕の足元は見えない。の束と束の間にかろうじて足を突っ込んでいるからだ。足に泥は付着しないが、ぬかるみに膝下をずぶずぶ突っ込んでいるようなものだ。部屋の中を移動するにはの束から足を引き抜いて、の束を踏み台にするか、つま先がやっと入るかどうかのすき間に無理矢理足を突っ込むしかない。 不安のはじまり 床がで埋まっているというのに不思議と焦ってはおらず、床が抜けるというケースはまったく想像していなかった。むしろ運び終えたことに安堵していて、時間をかければ何とか片付くだろ、と呑気に考えていた。 運搬を手伝ってくれた便利屋スタッフが帰りの車中

    Nean
    Nean 2012/06/07
  • 孤立した電子書籍から、本のネットワークへ

    12月8日にボイジャーが新しい読書システム「BinB」をリリースしたので、さっそくいくつかの作品を試し読みしてみました。以下に述べるのは、その読書体験を通して感じたことです。 今回リリースされた「BinB」はウェブブラウザ上で電子書籍の閲読ができるしくみで、世界標準フォーマットであるHTML5とEPUB3に準拠しています。これまでの専用アプリや読書端末を介して読む電子書籍とことなり、HTML5に対応しているウェブブラウザ(Safari、Firefox、Google Chrome)さえあれば、PCでもMacでも、スマートフォンでも各種のタブレットでも同じように読むことができるのが特徴です。 BinB Storeにいくと、まずこのような映像が流れます。 「ブラウザの中にがある」「インターネットがの入り口」という言葉どおり、「BinB」をつかうと、自分の読んでいるをインターネットを介して他

    孤立した電子書籍から、本のネットワークへ
    Nean
    Nean 2011/12/11
  • ブリュースター・ケール氏に聞く本の未来

    「マガジン航」では、今年5月末に来日したインターネット・アーカイブのブリュースター・ケール氏に長いインタビューを行いました。これまでにもケール氏のインタビュー映像を記事で紹介したことがありますが、今回の取材ではこれまであまり知ることのできなかった、ケール氏の素顔の部分までを聞き出すことができました。 ハッカー精神をもったライブラリアン、ケール氏の描くの未来とはいかなるものか。かなり長いインタビュー記事ですが、たっぷりとお楽しみ下さい。 若い頃はハッカーだった ――はじめて自分用のコンピュータを手に入れたのはいつだか覚えてますか。 BK:多分14歳か15歳のときで、友達がスイッチとLEDを金属線でつなげて作ってくれたヤツだった。これはマイクロプロセッサ以前の話だよ。僕はそれで1と0を入力してプログラミングし、素数とは何かを理解したんだ。 ――早熟でコンピュータ好きな子供だったんですね。少年

  • サイファーパンクの爆弾工房

    ウィキリークスの「ケーブルゲート」事件は、かつてないほどの興奮と関心に満ち満ちたハッカースキャンダルだ(ウィキリークスのミラーサイトはここなど)。私はその手の話についてはよく書いている方だし、ネット上にはこの現在進行形の一大ドラマを根掘り葉掘り知りつくそうと躍起になっている知り合いが山ほどいる。だから、自分がこのきわめてニュース性の高い出来事を前にして、まるでエドガー・アラン・ポー的な憂にも似た、こんなに寒々しくげんなりした気持ちでいっぱいになるのはなぜなのかを説明するには、まだしばらく時間がかかりそうだ。 だが、この気分は誤魔化しようがない。 思うにこの悪寒の一部は、この事態が生じるまでにうんざりするほど時間を要したことであるに違いない。ついに——これほどの歳月が経った挙げ句に——サイファーパンクの古びた爆弾工房の自家製ニトロが火を噴くに至ったわけだ。そう、他でもないあの“サイファーパ

    サイファーパンクの爆弾工房
  • 被災地に電子テキストを

    3月11日に東北地方から関東地方を襲った「東日大震災」の被害の実態が明らかになりつつあります。こうしたなか、未曾有の大災害にみまわれた被災地の救援や復興支援に役立つ書籍や専門雑誌のテキストを、インターネット上で無料公開する出版社や著者が相次いでいます。 医学書院は『JIM』2005年8月号(15巻8号)「特集 災害被災地におけるプライマリ・ケア」、『病院』2010年6月号(69巻6号)「特集 災害と病院」をはじめ、『公衆衛生』、『精神医学』、『保健師ジャーナル』、『助産雑誌』、『看護教育』などを公開しています(詳しい書目はこちらを参照)。 学芸出版社は、仮設市街地研究会著『提言 仮設市街地』(2008年)の全文をはじめ、まちづくりや復旧・復興の専門書を「災害からの復旧・復興関連資料」としてPDFで公開。 ノンフィクション作家の最相葉月氏は、精神科医の中井久夫氏の「災害がほんとうに襲ったと

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  • 読者視点で電子書籍を考えてみる

    電子書籍の話を論評系のWebサイトとか、編集者のTwitterでのつぶやきなどで、たまたま見聞きするときに「電子書籍って、そんなにつまらない話なのか?」と思う。 iPadとかキンドルなどの黒船がやってきて、日の出版が侵略されるとか、印税がいくらだの、マネタイズがどうの、など云々。 それがタバコの煙で霞んだ会議室で行われている不毛な会話なら、勝手にやっておいてくれればいいのだが、一般の読者も見ているWebやTwitterなどで、さも「私は真面目なサラリーマンです。真剣に書籍の未来を考えています」とばかりに話しているのを見聞きしていると、こちらも「電子書籍の先にあるのは、血で血を洗う修羅の道か……」と、つい感化されがちになる。 その一方で、一般の人達が電子書籍に対してどう考えているかと言えば、電子書籍を望むか望まないか以前に、私は普通の人達が電子書籍の話をしているのを、ほとんど見聞きしたこと

    読者視点で電子書籍を考えてみる
    Nean
    Nean 2010/09/19
  • Kindle for PCを使ってみた

    アマゾンがキンドル用のコンテンツをPCでも読めるアプリケーション、Kindle for PCのベータ版配布を開始したので、さっそく使い始めてみました。アプリケーションを立ち上げると、アマゾンで購入した電子書籍の一覧が並ぶはずなのですが、手元のキンドルに比べ、なんだか淋しい感じがします。そう、Kindle for PCではキンドルにダウンロードしたサンプル版が表示されないのです。 キンドル用の電子書籍の大半はかなりのページ数まで読めるサンプル・ファイルを提供しており、それらをどんどんダウンロードすることで、キンドルは一種の「立ち読みマシン」「積ん読マシン」としても非常に便利なのですが、現状のベータ版をみるかぎり、Kindle for PCはあくまでも「購入した電子書籍コンテンツ」を管理するシステムであり、格的なビューアというわけではないようです。ためしにKindle for PCからキンド

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