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ブックマーク / srad.jp/~yasuoka (32)

  • 東洋経済の考える「AIに負けない読解力」 | yasuokaの日記 | スラド

    ネットサーフィンしていたところ、東洋経済のサイトで「リーディングスキルテスト(RST)の問題を解いてみよう」(2019年10月12日号、pp.44-53)という記事に出くわした。係り受け解析のネタになるかな、と思って、順に問題を見ていったが、Q.2がいきなり以下の内容で、さすがに頭が痛くなった。 Q.2 以下の文を読みなさい。 真核細胞の呼吸の材料となる有機物は主にグルコースで、細胞に取り込まれると、ミトコンドリアの酵素などによって分解反応が進み、無機物に分解される。 この文脈において、以下の文中の空欄に当てはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。 ・(     )は細胞内で分解される。 ① ミトコンドリア ② グルコース ③ 真核細胞 ④ 無機物 いや、それ「この文脈において」とか言われても、「解糖系がミトコンドリアの外膜の外でおこなわれる」っていう高校の生物で習う内容に反

    Nean
    Nean 2019/10/20
  • 大漢和番号14404は本当にU+2339Fなのか | yasuokaの日記 | スラド

    大漢和番号14404「⿰月𡬶」を眺めていたのだが、何とも得体の知れない漢字だ。姓に使う漢字らしいのだが、私(安岡孝一)自身は実際の用例を見たことがない。この漢字が、戸籍統一文字162110を経由して、文字情報基盤MJ037911に収録されたのはいいのだが、そこでU+2339F「𣎟」と統合されてしまっている。ツクリが「𡬶」と「尋」で微妙に違っているのだが、当に統合してしまっていいんだろうか。うーむ。

  • タイプライターの名づけ親は誰なのか | yasuokaの日記 | スラド

    ネットサーフィンしていたところ、講談社ブルーバックスのサイトで「6月23日 世界初のタイプライター(1868年)」(サイエンス365days、2019年6月23日)という記事を見つけた。 この日、アメリカの新聞記者で、発明家のクリストファー・レイサム・ショールズ(Christopher Latham Sholes、1819-1890)が取得した、世界初の実用的なタイプライターの特許が発効されました。 『タイプライターに魅せられた男たち』にも書いたが、クリストファー・レイサム・ショールズ/カルロス・グリデン/サミュエル・ウィラード・ソレーのアメリカ特許No.79265(1868年5月1日署名、1868年6月23日成立)は、さすがに「実用的なタイプライター」にはほど遠い。特許申請書を見ればわかるとおり、キーが21個しかない。しかも実際に製作されたモデルでは、キーを11個に減らして、ようやく特許

  • 望遠鏡は「望遠」「鏡」なのか「望」「遠鏡」なのか | yasuokaの日記 | スラド

    AdobeのNLP-Cube1.0.5に、新たなモデル1.1がリリースされたとの御連絡をいただいたので、とりあえず日語モデル1.1をインストールしてみた。 % pip3 install nlpcube % python3 >>> from cube.api import Cube >>> Cube(verbose=True).load("ja",1.1) >>> quit()

    Nean
    Nean 2019/04/27
  • 「令和」の典拠は日本古典なのか漢籍なのか | yasuokaの日記 | スラド

    私(安岡孝一)の昨日の日記の複数の読者から、「令和」の典拠は日古典なのか漢籍なのか、という趣旨の御質問を複数いただいた。いや、その、漢文(古典中国語)って質的にコピペ文化なので、どれが典拠とか普通はわからないと思う。 試しにKanripoで「令和」を文字列検索してみると、こんな感じ。古いところだと、『撰集百縁經』卷一の佛説法度二王出家縁に「能令和解」という用例があるらしい。この用例における「和」は「知」の別体なのではないか、とする説があるものの、とりあえず、私が返り点を打つなら「能令㆑和㆑解」あたりだろうか。 一方で、『萬葉集』卷五の「初春令月、氣叔風和」には、たぶん返り点が要らないと思う。その点では、まあ『萬葉集』の方が、日人好みなんじゃないかなぁ…。

    Nean
    Nean 2019/04/07
  • 「くゎ」と「か」の対立 | yasuokaの日記 | スラド

    『大漢和辞典』を読んでいて、検字番号41297「関」に「クワン」という音が示されているのを、見つけた。ちなみに「カン」という音は示されていない。実は、私(安岡孝一)の祖母の一人は、合拗音「くゎ」と直音「か」を対立させて発音する人で、火事(くゎじ)と家事(かじ)を自然に言い分けていたのが、子供心にも不思議だったのだ。ただ、祖父の発音にそういう対立は無かった(気がする)ので、あるいは祖母だけだったのかもしれない。なお、『大漢和辞典』では、検字番号18850「火」には「クワ」という音が、検字番号7169「家」には「カ」「ケ」「コ」という音が、それぞれ示されている。

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    Nean 2018/05/28
    へぇ。
  • 「だぢづでど」と「ざじずぜぞ」の対立 | yasuokaの日記 | スラド

    『大漢和辞典』を読んでいて、検字番号4890「地」に「ヂ」という音を、見つけた。そう言えば、私(安岡孝一)が多感な少年期を過ごした岸和田は、「だぢづでど」と「ざじずぜぞ」が、発音上あまり対立していない地域だったように思える。「地震」と「自信」の発音が同じなのは、まあ、よくあることだと思うのだが、「臀部」と「全部」の発音が同じなのは、今にして思うと少しマズイ気がする。「道理」と「草履」の発音も聞き分けにくく、そのせいか「草履」のことを「雪駄」と呼ぶことも多かった。ただ、私が高校に進学した1980年代頃には、「だでど」と「ざぜぞ」は、発音が少しずつ対立していったような気がする。それでも、いまだに「ぢづ」と「じず」の発音は、分離していないと思われる。

  • Re: 経済学者の考えるQWERTY配列の歴史 | yasuokaの日記 | スラド

    私(安岡孝一)の9月23日の日記の読者から、佐藤優の『「白兵戦」はなぜ起きた?ビジネスにも通じる「不条理の罠」の仕組み』(週刊現代, 第59巻, 第35号(2017年9月23・30日), pp.124-125)を読んでみてほしい、との御連絡をいただいた。読んでみたところ、菊澤研宗に騙されたらしく、QWERTY配列に関するガセネタが書き連ねられていた。 周知のように、現在、一般に使用されているタイプライターやコンピュータのキーボードの上段の配列は、QWERTY……の配列となっている。この標準的なキーボードの配列が成立したのは一九世紀であり、われわれは歴史的にその配列に慣れているので、その配列があたかも効率的であるかのように思い込んでいる。/しかし、実際には、使用される単語の頻度や指の動きなどに関する人間工学的観点からすると、この配列は必ずしも効率的ではないといわれている。事実、このQWERT

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    Nean 2017/09/29
  • 大正8年の宜野湾村の地図 | yasuokaの日記 | スラド

    東北大学の外邦図デジタルアーカイブに大正8年測図の与那原1:50000地図があることを御教示いただいた。この地図で見る限り、当時の宜野湾村役場は北緯26度16分5秒東経127度45分25秒附近にあって、現在は普天間基地になっている場所である。ちなみに、現在の宜野湾市役所は北東に3kmほど移っているが、昔も今も市街地の中にあって、田んぼの中というわけではないようだ。 世の中には人文地理学や歴史地理学と呼ばれる研究分野があって、私(安岡孝一)個人もしばしば議論に加えてもらっている。戦前の地図は基的に軍事機密であることが多く、デジタル化して公開するには、それなりにパワーが必要なのだ(cf.『外邦図研究ニューズレター』No.6)。ただ、この手の研究をちゃんとやっておかないと、軍事機密なのをいいことに、アヤシゲな説を唱えるヤカラが跋扈することになる。人文科学教育の意義ってのは、一つはガセネタを叩き

    Nean
    Nean 2015/06/29
    “人文科学教育の意義ってのは、一つはガセネタを叩きつぶすことにあると思うのだが、そのあたり、文部科学省や国会議員はどう考えているんだろう”
  • 文部科学省の考えるコンピュータの歴史 | yasuokaの日記 | スラド

    文部科学省が公表した「諸外国におけるプログラミング教育に関する調査研究」(大日印刷、平成27年3月)が、あまりにブッ飛んでいて爆笑した。特に「はじめに」の第一文。 1942年、今日の電子計算機の原型の一つが、ペンシルバニア大学ムーアースクールのJ.P.エッカート、J.W.モークリーによって論文としてACM(Association for Computing Machinery)に発表され、1945年には弾道計算用の実用機ENIAC(Electronic Numerical Integrator and Computer)が開発された。 いや、もう、どこから突っ込んでいいやら。とりあえず、ACMの設立は1947年で、Journal of the ACMの発行開始は1954年。一方、エッカートが1942年に発表した文書となると、たとえば「Light Modulating Method and

    Nean
    Nean 2015/06/14
    安岡先生が第一発見者っぽいのか。
  • 新たに日本国籍を取得した際の氏名に使える漢字 | yasuokaの日記 | スラド

    『HUMAN』最新号(vol.07)に載せた「人名と漢字」(pp.054-057)の読者から、岡雅享の「国籍取得と名前の変更―常用・人名用漢字による漢・朝鮮民族姓への制約」(『法学セミナー』no.663 (2010年3月), pp.006-007)を読んでほしい、との連絡をいただいた。読んでみたのだが、正直かなり情報が古い。たとえば以下の部分。 「帰化後の氏名は……自由に定めることができます」と、氏名の変更が前提と受け止められる記述をし、さらに「帰化後の氏名は、原則として常用漢字表、人名漢字表に掲げる漢字及びひらがな又はカタカナ以外は使用できません」との制約をつけている。これらの漢字表には崔、姜、趙、尹など朝鮮民族や漢民族の一般的な姓すら含まれていないために、来の姓を放棄せざるを得ない人が、今でもかなりいる。 「今でもかなりいる」の「今」が、いつを指しているのかわからないのだが、もし2

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    Nean 2014/12/24
    全然知らんかった。
  • 『キーボードQWERTY配列の真実』における「真実」 | yasuokaの日記 | スラド

    牧野武文の『業界標準と互換機戦略 キーボードQWERTY配列の真実』(レトロハッカーズ、2013年6月11日)を読んだのだが、かなりひどいシロモノだった。私(安岡孝一)の目にとまった間違いを、ざっと挙げておくことにしよう。

    Nean
    Nean 2013/07/15
  • Re: QWERTY配列が生まれた本当の理由 | yasuokaの日記 | スラド

    京都大学の安岡孝一氏と安岡素子氏による論文によると、初期のタイプライターのテスターとして活躍したのは、電報のオペレーターであり、彼らのニーズに合うようにできたのが、QWERTYという不思議な配列だということです。Zを表す信号は、SやEを表す信号と混同しやすく、特にそれが単語の始めだったりすると余計に判別しにくいのだそうです。そこでSはZやEの近くにある必要がありました。 うーん、もはや伝言ゲーム化していて、わけが分からなくなってる。「SやEを表す信号」って、翻訳者はどういうつもりで訳したんだろう。「S」が「・・・」で、「E」が「・」で、「Z」が「・・・ ・」だから、SEとZが分かりにくいよね、って話のはずだったのに…。ちなみに昔の日記にも書いたとおり、私(安岡孝一)自身の結論は

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    Nean 2013/05/22
    Gizmodoの記事は正確を欠いているとのお話。
  • 国会図書館がWikipedia編集を禁止 | yasuokaの日記 | スラド

    Wikipediaの「利用者:安岡孝一」に文献を追加しておこうと、国会図書館からWikipediaへのログインをおこなったところ このページは「i-FILTER」によりブロックされました。 このページは「i-FILTER」により送信サイズが制限されています。 ブロック理由: 個別ブラック除外リスト i-FILTER / © 1999-2009 デジタルアーツ株式会社 というメッセージが出て、Wikipediaへのログインを拒否された。仕方なく、ログインせずにIPuserで「利用者:安岡孝一」を編集しようとしたところ、またまた同じメッセージ。どうやら国会図書館は、Wikipediaをブラックリストに載せているらしい。でも、それだと、国会図書館で見つけた「出典」を手元に置いてWikipediaを編集する、ってのが無理になるんだけど…。

    Nean
    Nean 2012/03/03
    ほぉぇ~。
  • 南沙織と人名用漢字 | yasuokaの日記 | スラド

    人名用漢字の歴史に詳しい京都大学の安岡孝一准教授は「歌手の南沙織(芸名、71年デビュー)のように、確実に人名用漢字に影響を与えた有名人は存在する」と指摘します。 という文に関して、「南沙織が人名用漢字に影響を与えた」証拠はあるのか、という御意見をいただいた。まあ、難しいところだが、たとえば、鬼沢慶一が読売新聞1976年3月28日朝刊p.27に書いたコラム『ひと 南沙織』の以下の部分が挙げられるだろう。 「沙」が人名用漢字に入ったのは4ヶ月後の1976年7月30日なので、このコラムはガセネタっぽい。が、実際、出生届に「沙織」と書いて出した父親は、当時かなりの数にのぼり、戸籍窓口が対応に苦慮したのも事実だ(cf. 釧路家庭裁判所帯広支部昭和54年(家)第71号)。その意味では、南沙織が人名用漢字に影響を与えた、というのは、まず間違いない事実だと私は信じる。 ただし、三原脩が人名用漢字に影響を与

  • 「ね」の変体仮名の「文字の名前」 | yasuokaの日記 | スラド

    戸籍統一文字901590の「文字の名前」をどうつけるべきか、あちこちで話を聞いてまわったのだが、やはり字源とされる「根」を何らかの形で文字名に入れるしかないようだ。たとえば「HIRAGANA LETTER NE FROM CJK-6839」みたいな名前を発明せざるを得ない。しかも、このやり方だと、たとえば900760と900770は同じ「年」を字源とする「HIRAGANA LETTER NE FROM CJK-5E74」になっちゃうのだが、それはそういうものだと割り切って、同じ名前の文字どうしはVariation Selectorか何かで見分ける、ということになりそうだ。 ただ、同じ字源の平仮名どうしをVariation Selectorで見分けるのなら、たとえば900750は「HIRAGANA LETTER NE FROM CJK-7962」じゃなくて、元のU+306D「HIRAGANA

  • 漢字とマッカーサーと毛沢東 | yasuokaの日記 | スラド

    GHQが導入した当用漢字の読者から、リービ英雄の『我的日語』(筑摩書房、2010年10月)を読んでほしい、と連絡があった。読んでみたところ、日中国の漢字施策に関して、かなり奇妙な内容が書かれていた。(p.147) しかし、日人は中国の簡体字を笑うことはできない。日の当用漢字も、一種の簡体字であり、別の歴史の痕跡が、おのずとある。素直にそれとつきあえば、読み手として、歴史の衝撃を覚えざるをえないと思う。 北京の軍事博物館に行ったとき、近代戦争展示室の展示物に、一九四四年の新聞記事があった。繁体字だった。そのときまで、文字は共通していた。「戦前」の日の漢字と「解放」前の中国の漢字が、同じだった。千五百年間、同じだった。それが、日ではGHQのマッカーサー、中国では毛沢東、ふたりのMによって変わってしまった。 だったら、アジア歴史資料センターに行って、『兵器名称用制限漢字表』も見てみ

  • GHQが導入した当用漢字 | yasuokaの日記 | スラド

    昨日付の日経済新聞(第44902号)をチェックしていたところ、和久井康明の「漢字の使用制限を撤廃せよ」(朝刊p.5)というインタビューが、目に止まった。 国語審議会が当用漢字表を答申したのは昭和21年11月5日。当用漢字表が次官会議に持ち込まれたのが11月11日。閣議に持ち込まれたのが11月12日。内閣告示が11月16日。実は、当用漢字表はGHQを通っていない。 『米国教育使節団報告書』(昭和21年3月30日)を読めばわかる通り、GHQの方針は日語のローマ字化だった。漢字制限どころか仮名も捨てて、ローマ字で日語を表わせ、というのだ。でも、国語審議会は、この報告書に先立つこと4ヶ月、昭和20年11月27日には、標準漢字表の再検討に着手していて、あくまで漢字制限の方向に突き進んでいく。この結果GHQは、昭和21年11月16日の当用漢字表内閣告示に対し、沖縄における当用漢字表の告示を許可し

    Nean
    Nean 2011/02/01
    安岡先生。
  • 幻のMS明朝ver3.00 | yasuokaの日記 | スラド

    『新常用漢字(仮称)試案の字体における問題点』の読者から、文化審議会国語分科会漢字小委員会が使っているMS明朝は、ver5.00でもver2.50でもver2.31でもなく、幻のver3.00なのではないか、という指摘があった。 MS明朝ver3.00は2005年にリコーが開発したフォントで、PAGE2006でその一部が公開されたが、結局VistaではMS明朝ver5.00までバージョンが上がってしまった、という幻のフォントだ。確かにそう言われてみると、たとえば2008年7月15日の漢字小委員会の資料2は、全体としてはMS明朝っぽいのだが、「茨」の字体がかなり微妙だ。ver2.xとは4画目が違うし、ver5.00とは5画目が違う。幻のver3.00の字形にすこぶる近い。 だとすると、新常用漢字表(仮称)試案の「鬭」も、MS明朝ver2.31ではなく、あるいはMS明朝ver3.00かもしれな

  • 『官報』の印刷書体 | yasuokaの日記 | スラド

    新常用漢字表試案への意見を書くために、『官報』文の印刷書体に関して調査した。忘れてしまわないうちに、ここにメモしておこうと思う。 『官報』文の印刷書体が、現在のMFHSMincho-W3に変更されたのは、大蔵省印刷局時代の平成11年3月(たぶん8日)である。「次」「牽」「嚇」「謁」の字形の特徴からすると、中身はどうやら、DF平成明朝体W3か、あるいは当時のJS平成明朝体W3のようだ。ただし、新常用漢字表(仮称)試案のJS平成明朝W3[JISX0213:2004]と違って、『官報』印刷書体は表外漢字字体表を完全に無視している。「遡」は1点しんにょうで印刷されているし、「填」のつくりは「真」だ。もちろん、平成11年3月時点では、表外漢字字体表は答申されていなかった(試案は既に報告されていた)し、JIS X 0213もまだ制定・改正されていなかったのだから、PDFでの閲覧をも考慮したシステム