公文書管理システム改革の「試案」を示そう 今回の事件は、逆の見方をすると、国の公文書管理システムの「穴」を明らかにしたとも言える。経緯がある程度判明した暁には、公文書管理法の見直しや罰則の強化も議論されるに違いない。だが前述したように、国会議員も官僚もITに疎い実情では、おそらくシステムの整備までは十分に目が届かないだろう。 そこで筆者は、官公庁の公文書管理システム改革の「試案」を示したいと思う。 まずは、職員用の端末を「シンクライアント」にするのはどうだろう。 「シンクライアント」とは、センターサーバーに端末をLANやインターネットで接続し、アプリケーションの処理やデータの保管などを可能な限りサーバー側で行うしくみだ。端末にはHDDを組み込まず、最小限の処理能力しか与えないので、編集したデータは端末内に記録できない。 事情に通じている人からは、「現場の事情に応じた対応が制限される」「使い