団地、それは世界の縮図というファンタジーである。 小泉今日子と小林聡美が団地に住む幼馴染を演じている『団地のふたり』(NHK BS)が日曜の夜の癒やしになっている。ふたりを見ていると団地生活への憧憬が湧き上がっていく。こんなふうに日々を過ごせたらいいのに。 昨今はやりの「団地再生現象」そのもの 原作は藤野千夜による小説で、独身の50代、ノエチこと野枝(小泉今日子)となっちゃんこと奈津子(小林聡美)の日常がつづられる。ふたりは団地育ちで、社会人になったときいったん団地を出たものの、紆余曲折あって再び団地に戻って来た。 ノエチは両親と暮らしている。なっちゃんは父が亡くなり、母は親戚の介護のために不在で、ひとり暮らし。なっちゃんは料理が得意で、ノエチはしょっちゅうなっちゃんの部屋に食事をしに訪れる。 イラストレーターであるなっちゃんの部屋はセンスよく整えられており、ダイニングテーブルといすやステ