パワハラやカスハラの報道が絶えない。問題になっているにもかかわらず、消えないのはなぜか。『日本語に生まれること、フランス語を生きること』の著者である上智大学名誉教授の水林章さんは、背景に「日本社会の構造」と「日本語」があることを指摘する。ノンフィクションライターの山田清機さんが聞いた――。(前編/全2回) なぜ「告発者」が追い詰められるのか パワー・ハラスメントの報道が絶えない。 北海道選挙区選出の参議院議員・長谷川岳氏(自民党)による自治体職員への威圧的言動、兵庫県知事・齋藤元彦氏(維新の会)による県庁職員に対する暴言や激しい叱責の疑惑、鹿児島県警では県警の不正捜査や不祥事の隠蔽をメディアにリークした巡査長と元生活安全部長が、当の鹿児島県警によって逮捕されるという異様な事態が起きている。 その他、地方自治体の首長や地方議員によるパワハラ報道は、枚挙にいとまがない状態だ。 なぜパワハラが多