藤井聡太名人(22=竜王・王位・王座・棋王・王将・棋聖を含めて七冠)に永瀬拓矢九段(32)が挑戦している第83期名人戦七番勝負。第1局は4月9、10日に東京都文京区「ホテル椿山荘東京」で行われ、藤井は難解な終盤の局面で長手順の詰みで永瀬の玉を仕留めた。両者はALSOK杯第74期王将戦七番勝負でも対戦し、藤井王将が4勝1敗で防衛した。その王将戦で得たもの、引き続いて名人戦への決意、AI(人工知能)の読みを上回る藤井の終盤力などについて、田丸昇九段が解説する(段位・称号は初出以外省略)。 永瀬は「先手番で勝てるか」が大きなポイントに 藤井名人と永瀬九段は、今年1月~3月の第74期王将戦で戦った感想や成果を含めて、第83期名人戦に臨む決意をインタビューや記者会見などで次のように語っていた。 藤井「永瀬九段と2日制で初めて指した王将戦は、中終盤で読みのぶつかり合いが顕著に表れ、得るものは多かったで
