前川喜平・前文科事務次官(撮影/写真部・馬場岳人)この記事の写真をすべて見る 安倍政権は「怪文書だ」「確認できない」と言い続けた文部科学省の「内部文書」について6月9日、ついに再調査すると発表した。岩盤を動かした前川喜平・前文科事務次官に対し、3時間に及ぶインタビュー。週刊朝日6月23日号では、苛烈な「官邸支配」を示す新証言の数々を特集している。 * * * 前川氏は昨年夏、政府が毎年顕彰する文化功労者を選抜する文化審議会の文化功労者選考分科会の委員の候補をリストにし、官邸の杉田和博官房副長官のところに持っていった。杉田官房副長官は警察庁出身で、官邸の危機管理担当。加計学園問題の渦中にあった前川氏に対し、「出会い系バー通い」について昨秋、注意・警告してきた人物だ。 前川氏はこう証言する。 「杉田氏のところにリストを持っていくと、『ちょっと待て』と言われて、1週間くらい後に、『この人物と