その人気が国境を越えるまでに成長した熊本県の人気ゆるキャラ、くまモン。熊本地震後は被災者の心を癒やし、復興を後押ししてきた。アベノミクスならぬ「くまモミクス」の成功の裏には、失敗を教訓にした、綿密な戦略がある。 「くまモンは昔やせていたけど、熊本のおいしいものをいっぱい食べて、メタボになったんですよ」 川崎市の商業施設「アトレ川崎」で9月24日にあった熊本フェア。300人近いファンの前でアシスタントの女性が話すと、大きな笑いが起きた。 実は、やせていたのは、本当の話だ。2010年3月に登場した「初代」のくまモンは、背が高くやせていて、現在とは似ても似つかない。子どもに近づけば泣かれ、動きも素人くさく哀愁が漂っていた。 アイデアが関係者に披露されたのは、この約1カ月前。翌年に控えた九州新幹線全線開通に向けた戦略会議で、キャンペーンのロゴを手がけたデザイナーの水野学さんが、「おまけ」として考え
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