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ブックマーク / www.style.fm (33)

  • WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第66回 ぼくらの時代

    1981年に『うる星やつら』、1982年に『超時空要塞マクロス』と『魔法のプリンセス ミンキーモモ』の放映がスタートする。ここから「ぼくらの時代」が始まったのだと思う。今まで漠然と、そのあたりで作品傾向や、受け手のスタンスが変わったと思っていた。今回はその数年間に「ぼくらの時代」と名づけて、感じていた事を文章にしてみたい。 「ぼくらの時代」では作品の傾向も、ファンの楽しみ方も変わっていった。作品に関しては、よりティーン以上のアニメファンの嗜好に合わせたものが作られるようになった。具体的に言えばライトなノリ、パロディ感覚をベースにし、美少女、ラブコメ、メカ等を織り込むかたちで作られるようになった。賑やかな作品が多かった。分かりやすく言えば、より楽しい方向、気持ちいい方向に流れていった。作品もファンも、どこか享楽的になっていった。1980年代はよく「浮かれていた時代」だと言われるが、今思えば、

  • WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第192回 宇宙SFアニメに飽きていた

    第139回「劇場版『ゴルゴ13』」で、この映画をロードショーで観なかった理由として「多分、題材がアダルト過ぎて、19歳の僕は、指が動かなかったのだろう」と書いた。だが、後になってよく考えてみたら、観る気にならなかったのに別の理由があった。セールスポイントになっているCGに、何かヤバいものを感じていたのだ。公開前後に、あの映画のCGについて、悪い噂を聞いたような気がする。 1984年にもCGを売りにした劇場アニメがあった。『SF新世紀レンズマン』だ。E・E・スミスの古典的SF小説を映像化したもので、制作プロダクションはマッドハウス。監督は広川和之、川尻善昭の名前がクレジットされている。ではあるが、少なくとも川尻自身にとっては、初監督作品という位置づけの作品ではないようだ。彼は、最初は絵コンテだけのつもりでこの作品に参加。結果的に、絵コンテだけでなく、制作現場を仕切る事になったけれど、編集や

  • WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第234回 押井守版『ルパン三世』

    1985年の映画の話題といえば、幻に終わった押井守版『ルパン三世』がある。前にも別のコラムで触れているが、改めてこのタイトルについて書いておく。 僕達が、この映画の事を知ったのは「アニメージュ」1984年10月号の巻頭特集。特集のタイトルは「'85年夏 監督・押井守 映画『ルパン三世』決定!」だ。特集に掲載された押井版『ルパン三世』のビジュアルは、押井守と天野喜孝の手によるイラストがそれぞれ1枚だけ。この段階で、まだデザインがあがっていなかったのだろう。 1978年の『マモー編(『ルパン三世』)』、1979年の『ルパン三世 カリオストロの城』に続く、3の劇場版になるはずだったタイトルだ。元々、宮崎駿のところに来た企画だったが、宮崎は今の自分がやるべきではないと考えて、押井守を監督として推薦した。当時、フリーになっていた押井は、宮崎の事務所に居候していたのだそうだ。 押井は、これを前衛的な

  • WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第348回 アニメーションとしての『王立宇宙軍』

    『王立宇宙軍 オネアミスの翼』にあったアニメーションとしての新しさは、1990年代から21世紀初頭において、たとえば、押井守、今 敏、細田守といった監督達の作品で結実する。映像を緻密に作り込んでいくタイプのアニメが、『王立宇宙軍』以前になかったわけではないが、それが進化していく過程において、大きなステップになったのは間違いない。あるプロダクションのベテランプロデューサーから聞いた事があるが、当時『王立宇宙軍』を観て「こんな連中がどこから出てきたんだ!」と思ったそうだ。名前を聞いた事もない若いスタッフが作った、観た事のないようなアニメ映画。降って湧いたような作品だったのだろう。 この作品が、それまでのアニメーションと違ったのは、まず、意識的に映像の情報量を上げている点にある。当時のスタッフは「情報をコントロールしている」とコメントしているはずだ(少なくとも、庵野秀明は、そういった言い方をして

  • WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第214回 『CAT'S EYE』(第2期)

    『CAT'S EYE』第1期は、1984年3月に終了。半年の休みを挟んでスタートしたのが、今回取り上げる続編シリーズだ。放映されたのは、1984年10月8日から1985年7月8日。全37話。シリーズディレクターは、こだま兼嗣に交代。これが、後に『CITY HUNTER』や『名探偵コナン』を手がける彼の初監督作品である。第1期は杉野昭夫がキャラクターデザインで、平山智が作画監督だったが、第2期は平山智がキャラデザインも兼任。メインキャラの造形も大きく変わっており、目が大きくなり、シャープな印象のデザインとなった。 オープニングとエンディングは、今回も凝った作りで、オープニングはセクシーさが倍増。特に瞳がエクスタシーを感じているイメージの破壊力は凄まじいものだった。友達と笑いながら「いくらなんでも、今回はやりすぎだろう!」と話したのを覚えている(僕が構成を担当した『CAT'S EYE』第2期の

  • WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第173回 『CAT'S EYE』(第1期)

    『CAT'S EYE』は、北条司の同名人気マンガを映像化したTVシリーズで、放映されたのは1983年7月11日から1984年3月26日。犬鳴署の刑事である内海俊夫は、怪盗キャッツ・アイを捕まえるために、日々、走り回っている。キャッツ・アイは、レオタードを着込んだ正体不明の女泥棒で、実はその正体は、俊夫の高校時代からの恋人である来生瞳、そして、彼女の姉の泪、妹の愛の3人だった。作はアクションものであり、ラブコメディ。『ルパン三世』に始まり、現在の『名探偵コナン』まで続く、東京ムービーのクライム路線の1でもある。杏里が歌った主題歌が大ヒットしたのも、作を語るうえで忘れてはいけない話題のひとつ。また、オープニングとエンディングは、三姉妹がレオタード姿で踊るというもので、そのセクシーさと凝った映像が、作のイメージを形づくっていると思う(編は、オープニングやエンディングほどはセクシーではな

  • WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第256回 生活感を重視した演出の流行

    1980年代中盤、僕の興味は、作画から演出に移っていった。友達とも、TVアニメの演出について話す機会が増えた。それは第156回「新世代の演出家たち」で書いたような、若手演出家の活躍があったからだ。 この頃、演出的に突出した作品は、生活感を重視したものが多かった。日常を舞台にして、丁寧に描写し、説得力あるものとしてドラマを描いていく。そんな作品が新しかったし、魅力があった。タイトルを挙げると、1983年の『魔法の天使 クリィミーマミ』、1985年の『タッチ』『魔法のスター マジカルエミ』、1987年の『エスパー魔美』『きまぐれオレンジ★ロード』といったところだ。1986年に始まった『めぞん一刻』の一部にもそういった傾向があった。それらの作品の全てに、メインあるいは各話のスタッフとして、亜細亜堂のメンバーが参加している点、小林七郎が美術監督を務めている作品が多い点について、注目すべきだろう。

  • WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第269回 OVAの時代始まる

    前にも触れたように、1983年12月に『DALLOS』のリリースが始まる(第157回 『DALLOS』)。ビデオソフトとして販売するために製作されたアニメ作品をOVA(オリジナルビデオアニメ)と呼ぶが、この『DALLOS』が世界初のOVAだった。1983年にたった1だけリリースされたOVAは、翌1984年に10ほどがリリースされ、1985年にその数が激増。40近い数字になる。具体的にタイトルを見ていただこう。以下のとおりだ。 1983年にリリースされたOVA 『DALLOS』(全4巻・12月16日〜) 1984年にリリースされたOVA 『雪化粧/少女薔薇刑』(成人向・2月21日)ワンダーマガジンシリーズ第1巻 『何日子の死んでもいい!/いけにえの祭壇』(成人向・2月28日)ワンダーマガジンシリーズ第2巻 『仔ちゃんのいる店』(成人向・7月21日)ワンダーマガジンシリーズ第3巻 『街

  • WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第267回 リアルロボットアニメの終焉

    第262回「アニメファンが浅倉南を苦手な理由」で、1986年に、アニメファンやアニメ雑誌にとっての「TVアニメ冬の時代」が始まると書いた。今回はそれに関連する話題として、ロボットアニメの減少について触れておきたい。 放映数の推移については、データを見てもらうのがてっとりばやいだろう。第151回「ロボットアニメが多すぎる」でも話題にしたようにロボットアニメの数が一番多かったのが1983年だ。そこから数年間のタイトルをリストにしてみた。以下のように、TVで放映されるロボットアニメは減り続けた。 1983年にTVで始まったロボットアニメ (1)『亜空大作戦 スラングル』(国際映画社 1月21日〜) (2)『聖戦士 ダンバイン』(日サンライズ 2月5日〜) (3)『光速電神 アルベガス』(東映 3月30日〜) (4)『装甲騎兵 ボトムズ』(日サンライズ 4月1日〜) (5)『銀河疾風 サス

  • WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第204回 「クサい」「ダサい」の時代

    その感覚は自分の中でも、すでに印象が希薄になっているのだけれど、1980年代半ばに「クサい」「ダサい」という言葉をよく使っていた。僕は若者文化歴史みたいなものに精通しているわけではないので、この言葉がどういった経緯で流行ったのか、どのくらい流行ったのかは分からないのだけれど、とにかく僕の周りでは、その言葉がよく使われていた。 フィクション以外の事についても「クサい」と言ったり、「ダサい」と言ったりしていたが、このコラムではフィクションについての話をする。要するに、アニメやドラマの大袈裟な描写や、ドラマチックな内容に対して「クサい」と言っていた。そして「クサい」ものは「ダサい」ものだった。アニメで言えば『巨人の星』や『宇宙戦艦ヤマト』が「クサい」作品の代表選手だった。 象徴的なのが、1983年秋から放映されたTVドラマ「スチュワーデス物語」だった。この番組は、大映ドラマらしい大袈裟な内容で

  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    『魔美』を観直すのは楽しい。放送でほぼ全話を観ているはずなのだが、それでも楽しめた。基的にドラマをきっちりとやっている作品であり、バラエティに富んでいて、しかも1話完結。4くらい続けて観ると、ちょっと贅沢をした気分になる。 前々回で「日曜日のトリック」について、魔美の超能力が事件解決にまるで役立っていないと書いたが、改めてチェックしてみると、そもそも解決すべき事件がないエピソードもある。90話「わたし応援します!」(脚/桶谷顕、絵コンテ・演出/原恵一)も、そんな話だ。今回観返して、特に面白いと思ったものの1である。 可南子という下級生が魔美に接近してきた。魔美のファンだという彼女は、魔美の前ではしおらしくしているが、幼馴染みの栗山と話す時には、いきなり態度が変わり、ため口になる。野球部に入っている栗山はお調子者で、ちょっと子供っぽい。野球が下手なくせに一所懸命に頑張っている栗山を

  • WEBアニメスタイル_COLUMN >> 第90回 『エスパー魔美』再見 「ターニングポイント」

    魔美と高畑の名コンビぶりは、作の魅力のひとつだ。超能力と行動力はあるが、思慮の足りない魔美と、他に特別な力はないが頭の回転がよく、博識な高畑。どちらかと言えば、高畑が魔美に振り回される事が多いのだが、彼は魔美の存在を受け止めており、彼女のよい部分を認めている。いつも的確なアドバイスを与え、時にやんわりと苦言を呈する。この“やんわり”というところが、彼のいいところだ。高畑和夫は思慮深い少年なのだ。 高畑はユニークなキャラクターだ。今回観返して、魔美よりも高畑の方が面白いのではないかと思ったくらいだ。何気ないセリフに妙なおかしさがある。頭がよすぎる事や、思慮深過ぎる事が、彼の面白さに繋がっているのだ。DVD-BOX解説書のインタビューや、先日のアニメスタイルイベントのトークでも話題になったが、放映当時、スタッフからも「あんなに頭のいい中学生がいるわけがない」と突っ込みが入れられていたそうだ。

  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    今日取り上げる2も、アニメのオリジナルエピソードだ。103話「日曜日のトリック」(脚/もとひら了 絵コンテ・演出/郷みつる)は放送時にも、よくもまあ、こんな話をアニメでやったものだと思ったエピソード。魔美と高畑が出逢った予備校生は、自分は運が悪いとふさぎこんでいた。彼は毎日、駅で上り電車が来るか下り電車が来るかでその日の運勢を占っている。上り電車が先に来ればその日は幸運、下り電車が来ればその日は悪い事が起きるというわけだ。上り電車と下り電車の数は同じだから、来る確率は同じはずなのに、彼が駅に行くと、いつも下り電車が来る。最近、幸運が続いている魔美が、彼の電車占いに何度かつきあうが、やはり下り電車が来てしまった。そこで高畑が、日曜に電車占いをやってみないかと持ちかける。しかも、その日の運勢ではなく、来年の大学受験の合否を占おうというのだ。日曜日、予備校生達の前にやってきたのは、上りの

  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    18話「サマードッグ」は原恵一監督が絵コンテを担当したエピソード。自然に囲まれた別荘地を舞台にした話で、これも力の入った作品だった。「サマードッグ」の仕上がりを見た桶谷さんが、原さんがそういった舞台を好むようだと感じ、同じ自然の中を舞台にした「たんぽぽのコーヒー」を書いたという事らしい。 「サマードッグ」は原作の中でも、重たい話だ。サブタイトルになっているサマードッグとは、夏の間に別荘地等で飼われていた犬が、飼い主が街に帰る時に捨てられ、野犬になる事。群れをなした野犬達が家畜を襲うのだ。魔美親子のいる別荘地に、高畑が遊びにやってきた。そこで、2人はサマードッグの事件に遭遇する。この別荘地の野犬達は凶暴で、人間をも襲うようになっていた。魔美達が出逢った伸一という少年の家族も、一昨年、チビという犬を飼っていたが、その別荘地にチビを残して東京へ帰ってしまった。伸一は、2年ぶりにやってきた別荘地で

  • WEBアニメスタイル_COLUMN >> 第87回 『エスパー魔美』再見 「たんぽぽのコーヒー」

    原恵一監督は『エスパー魔美』において、自身が各話のコンテ、演出を多く手がけ、傑作を残している。『魔美』における彼の代表作を挙げるなら、1話「エスパーは誰!」、18話「サマードッグ」、54話「たんぽぽのコーヒー」、96話「俺たちTONBI」だろう。18話以外の3は、10月にやったアニメスタイルイベントで上映した。1話「エスパーは誰!」は、ほぼ原作どおりの内容なのだが、演出的に相当力が入っている。アニメなのに、まるで「藤子マンガを、原作に忠実に実写で撮ったらこうなるのだ」と思わせるような仕上がり。原監督が以降の作品ではやらない、実験的なカッティングもある。 54話「たんぽぽのコーヒー」はオリジナルのエピソード。脚は桶谷顕だ。魔美の父親に連れられて、魔美と高畑は信州の山奥に行く。そこでは、父親の後輩である田端が、自然に囲まれて暮らしていたのだ。魔美達は山奥の生活を素晴らしいと思うが、田端の息

  • WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第170回 『マミ』と望月智充と萌えアニメ

    小林治監督が「実写のカメラで撮ったような画作りをし、作品世界やキャラクターを現実感あるものとして描く」という方向性で『クリィミーマミ』を始めたとして、それを発展させ、『クリィミーマミ』の演出を完成させたのが、新人演出家であった望月智充だった。彼の演出担当回は、特に映像がしっかりと作られており、シャープなものに仕上がっていた。僕は放映時にも、彼の回で「ありもしない実写のカメラ」を意識する事があった。 ここまでで取り上げた場面を例にすると、50話「マミがいなくなる…」での、60秒の長回しのカットも、実写的に考えているからこそ作りえたものだった。そういったトリッキーなものでなくても、彼の演出回には、キッチリと画面が作られた気持ちよさがあった。同じ「マミがいなくなる…」で、立花が、団地の前でお好み焼きを売っているスネークジョーを訪ねる場面がある。そのシーンの最後のカットが、団地の前に立つ2人を超

  • WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第169回 カメラで撮られた世界としての『クリィミーマミ』

    ここ数日、『クリィミーマミ』について書いていて、自分がいかにこの作品が好きだったのかを思い出した。作品にも、キャラクターにも思い入れして観ていた。また、脚や演出を意識して観た作品でもあり、「この話はここが残念」とか「今回は演出がよかった」といった見方もしていた。『クリィミーマミ』で名前を覚えたスタッフも多い。それから、昨日の原稿で触れるのを忘れていたけれど、最終回3部作において、マミがファィナルステージをやり遂げようとした理由について、劇中で触れていないのが面白いと思う。シリーズ構成的には、それをセリフで言わせないのがポイントだったのかもしれない。キャラクターやストーリーについての話は、前回までで一段落。今日はテクニカルな面について触れたい。 「第161回 『魔法の天使 クリィミーマミ』」で「ファンタジーではあるが、基的にリアル志向の作品であった。作品世界に関しても、人物に関しても、現

  • WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第168回 エピソードで振り返る『クリィミーマミ』7

    50話「マミがいなくなる…」、51話「俊夫!思い出さないで」、52話「ファイナル・ステージ」が最終回3部作だ。優は1年の期間限定で、ピノピノから魔法をもらっていた。50話「マミがいなくなる…」(脚/伊藤和典 絵コンテ・演出/望月智充 作画監督/後藤真砂子)で、その1年が終わるのは、6月30日午前5時45分である事がわかる。しかし、7月に香港でマミのデビュー1周年コンサートが予定されていた。マミは、コンサートを6月に国内でやりたいと立花に言うが、今から国内の会場は確保できない。一方、めぐみがマミの様子がおかしい事に気づき、新聞はマミが7月に引退する事を報じた。マミを助けたのは、20話「危険なおくりもの!」で登場したトンガリ王国の王子、呪術師の老婆、38話「ときめきファンクラブ」で登場したハイソサエティークラブの兵藤進ノ介だった。彼らのおかげで、6月に国内でコンサートができる事になる。兵藤が

  • WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第167回 エピソードで振り返る『クリィミーマミ』6

    47話「マミのファーストキス」(脚/島田満 絵コンテ・演出/立場良 作画監督/河内日出夫)は、映画撮影の話だ。マミの次回主演作「ブルーメアリの伝説」では、キスシーンが予定されていた。立花はこの映画で、彼女をラブロマンスも演じられる格的タレントとして飛躍させたいのだ。優はまだキスの経験がなく、仕事でファーストキスを経験したくないと思い悩む。クライマックスで、撮影中に事故が起きてマミが川に落ちる。それを助けるために俊夫が活躍。ドタバタの中での事故によるものではあるが、マミと俊夫は唇を重ねる。 この話の中盤で、映画でキスする事に不安になっていた優が、夜遅い時間に、ダイニングルームに行く。すると、寝間着姿の哲夫となつめが抱き合って口づけをしていた。それを目撃した優は、夜道を走って俊夫の家まで行き、彼に、やはりファーストキスの相手は好きな人でなくては嫌だと告げる。このシチュエーション自体は、大層

  • WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第166回 エピソードで振り返る『クリィミーマミ』5

    第4クールの望月智充演出担当回に、46話「私のすてきなピアニスト」(脚/土屋斗紀雄 絵コンテ・演出/望月智充 作画監督/後藤真砂子)がある。マミは、TV局でアルバイトをしている貴宏という青年と出会う。彼が撮影で使う高価な花瓶を運んでいたところ、急いで走ってきたマミがぶつかって、花瓶は落ちて割れてしまった。それが2人の出会いだった。彼はかつてビアニストを目指していたが、とある事故で手にケガをして、ピアノを弾けなくなってしまっていた。ケガは完治しているのだが、事故のトラウマから抜け出す事ができず、いまだにピアノが弾けない。現在、彼は作曲家を目指しており、TV局でアルバイトをしているのは、留学する学費を稼ぐためだ。マミは彼に好意を抱き、そのトラウマを克服させようとする。 「私のすてきなピアニスト」は演出も作画も洗練されており、『クリィミーマミ』ファンの間で評価が高いエピソードだ。ただ、僕は