大阪桐蔭の史上初となる2度目の春夏連覇、準優勝に躍進した金足農旋風に沸いた100回目の夏の甲子園(全国高校野球選手権)。年を越え、今夏には101回目を迎え、昨今のスポーツ界や教育現場で噴出する問題からも表れているように、高校野球もまさに新時代・新世紀に入っていく。 そんな中、これまでの常識を打ち破ろうとする学校がある。それが山陽新幹線の東広島駅から車を走らせ20分弱の山奥にある私立武田高校。2015年秋から指揮を執る岡嵜(おかざき)雄介監督によれば「最寄りのバス停とコンビニまで徒歩40分」だという。 1934年夏の甲子園(当時は全国中等学校優勝野球大会)を制した呉港高校と兄弟校(学校法人呉武田学園)にあたるが、武田高校には甲子園出場経験は無く、全国球界にはまったくもって無名の存在だ。 だが、昨秋の広島大会で8強に躍進。準々決勝では春夏通算甲子園出場46度(うち優勝3回)の広陵を相手に4対6