釜山映画祭では世界的な注目作を紹介する「ガラ・プレゼンテーション」部門で『偶然と想像』と『ドライブ・マイ・カー』が上映され、対談はこの2作品を中心にしつつ、それぞれ影響を受けた監督や演出スタイルなどについて2時間にわたって幅広く語り合った。 ポン監督は対談の冒頭で「濱口監督のファンとして、同僚監督として、気になっていることがたくさんある」と述べ、まずは『ドライブ・マイ・カー』について「あれだけたくさんの車のシーンをどうやって撮ったんですか?」と質問した。車をレッカー車に載せて実際にはレッカー車を運転して撮る方法や、車を動かさずにCGを使うなど、様々な方法があるという。濱口監督は「車は本当に普通に走らせて撮りました。走らせないと自分が望んでいるようなものが映らないと思ったからです」と答えた。 さらにポン監督は「『偶然と想像』でも車の中での長い会話のシーンがあるが、車の中での会話に何か愛情や執