|生命学ホームページ|掲示板|プロフィール|著書|エッセイ・論文|リンク|kinokopress.com|English | 『女たちの21世紀』No.9 1996年12月 47-48頁 レイプと買春について 森岡正博 最近、二冊の本をたてつづけに読んだ。松井やより『女たちがつくるアジア』(岩波新書)とザンダー、ヨール『一九四五年・ベルリン解放の真実』(現代書館)の二つである。 正直言って、めいっぱい気が滅入った。松井のレポートのなかには、日本やアジアの男たちが、アジアの女たちを人身売買し、買春し、レイプするケースがこれでもかとばかりに報告されている。ザンダーらのレポートでは、ベルリンに侵攻してナチの悪夢から人々を救ったロシア兵たちが、実は次々とベルリンの女たちをレイプしていて、その数はベルリンで一一万人、ドイツ全体で二〇〇万人となるということである。瓦礫のなかに女を連れ出して、銃で