――東大入試には、首都圏の私立中高一貫校が有利――。そんな「常識」を揺るがす 二つの「異変」が、この春、東京で起きた。―― 東京の開成高校といえば、1982年以来、30年近くにわたって東京大合格者ランキング首位の座を守ってきた中高一貫校だ。その名門私立を「異変」が襲った。 10日に発表された東大前期入試の合格者数は130人と、昨年の前後期合計の188人から58人のマイナス(3月13日現在)。22日に発表される後期入試は定員100人と狭き門のため、大幅な積み増しは期待できそうにない。首位は保ったものの、2位の東京・筑波大附駒場との差は現時点で、昨年の114人から33人へと縮まった。 開成の進路指導担当教諭はこう説明する。 「現役合格者が79人と、昨年より50人近く減ったのが響いた。今年はセンター試験の平均点が低かったため、理科1類などで足切り(第1段階選抜不合格)を恐れて東大を受験しな