【働き】 大建中湯(ダイケンチュウトウ)という方剤です。腹痛やお腹の張りをやわらげ、また、体をあたためて胃腸の調子をよくします。体力がなく冷え症で、お腹をこわしやすい人に向く処方です。胃腸の手術後にも用いられます。 【組成】 漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。大建中湯の構成生薬は、体や胃腸によい下記の4種類です。“人参”は滋養・強壮作用のある代表的な生薬です。“山椒”と“乾姜”は、胃腸の働きをよくして、お腹の冷えや腹痛をやわらげます。そのほか、膠飴(麦芽糖)と呼ばれる“あめ”もたくさん入っていて、これも胃腸の調子を整え、また、栄養分の補給になります。 人参(ニンジン)山椒(サンショウ)乾姜(カンキョウ)膠飴(コウイ) 大建中湯の“中”は体の中心部である胃腸をあらわし、胃腸を大きく建立し丈夫にするという意味合いがあります。漢時代の「金匱要略」という古典書で紹