福井県内の会社に勤務していた20歳代男性が2010年秋に心不全で死亡したのは過労が原因だったとして、福井労働基準監督署が今年1月、労働災害と認定していたことがわかった。 遺族代理人の海道宏実弁護士によると、男性は修理工として働いており、心臓がけいれんを起こして全身に血液が送れなくなる「心室細動」で亡くなった。死亡するまでの半年間の時間外労働は月86~130時間で、厚生労働省が労災認定の基準とする80時間を上回っていたという。 男性の両親が11年2月に労災申請。会社にはタイムカードがなく、婚約者との携帯メールなどが勤務時間の裏付けになり、認められた。 福井労働局労災補償課によると、県内では06~10年度の5年間に過労死の労災申請は7件あり、認定されたのは3件だった。海道弁護士は「過労死が疑われても遺族が申請しないケースが多く、表面化していないのではないか」と分析する。 海道弁護士ら福井弁護士