米航空宇宙局(NASA)は6月、LDSDと呼ばれる空飛ぶ円盤のような姿の実験機の飛行を、ハワイのカウアイ島で実施する。 LDSDは Low Density Supersonic Decelerator の略で、直訳すると低密度超音速減速装置となる。火星などの惑星は地球より大気が薄く、今よりも重く複雑な探査機が着陸する際には、パラシュートだけでは安全に減速できない可能性がある。LDSDはそうした問題を解決するべく、新しい減速技術の実証実験を行う。 LDSDは、カウアイ島にある米海軍のミサイル施設から、ヘリウム気球によって高度約37kmまで持ち上げられて投下され、LDSDに取り付けられている固体ロケット・モーターに点火、マッハ4の速度で高度55kmまで駆け上がる。その後、マッハ3.8まで自然に減速したのち、ドーナツ状の風船を膨らませ、機体の外周に展開。空気抵抗を利用してマッハ2.5まで減速