文部科学省は9日、来春から使用される教科書の検定結果を公表し、中学歴史(自由社)と高校生物II(東京書籍)の2冊が合格した。自由社の教科書は「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーらが執筆し、扶桑社が発行する中学歴史教科書と記述の約8割が共通している。扶桑社版、自由社版ともに教育委員会などで8月までに行われる採択の対象となる。 教科書検定は4年に1度の周期で行われ、今年は22年度から使用する教科書を選ぶ採択年に当たる。中学教科書は新学習指導要領に準拠し24年度から使用される教科書の検定を控え、現行の教科書会社は改訂を見送った。このため中学の検定申請は自由社だけだった。 自由社の教科書は昨年12月、誤字を中心に516カ所と多くの修正点が指摘され、いったん不合格となった。同社は修正して再申請し、136カ所の検定意見が付いたが再修正して合格した。 扶桑社版と異なる点は、図版の大半を差し替えたほか