この「起業をめざす」シリーズは、「定年後に働く」ことは、必ずしも「会社に勤める」ことだけでない、「独立自営・起業」という可能性も考えてみようということで始めた。具体的な起業の例としては、ひとりビジネス、ファミリービジネス、仲間と起業する例を紹介してきた。 しかし、起業・独立の手法も、必ずしも自営業や会社設立だけではない。今では、市民の自由な活動により、社会に貢献できる事業を行うNPOというスタイルもある。ただ、NPOはまだ一般に正しく理解されているとはいい難い。今回はその問題点なども含め、起業としての可能性はどうなのかを探ってみたい。 日本のNPO(特定非営利活動法人)は、1998年(平成10年)に「特定非営利活動促進法」が施行されたことで、スタートした。それまでは、社会貢献的な活動を組織として行う場合は、社団法人、財団法人、社会福祉法人などといった方法しか認められていなかった。しかし、