早くも雪の降り始めたミシガンからこんにちは、畠山です。私の前回の記事で、ランダム化比較試験(RCT)を教育セクターで実施することが意外に難しいし、コストをかけてわざわざRCTのような実験をしても明らかにできる事は意外に小さいというお話をしました。 RCTのような政策実験はエビデンスの黄金律なので、教育政策・教育経済学者の中には、これを実施することを大いに推奨している人も多く見受けられます。そして教育政策関係者の中には、これを額面通りに真に受けて、エビデンスに基づいた教育政策は重要だからRCTのような実験をどんどん実施しよう、と考えてしまう人も見受けられます。何を隠そう、私が前職で勤めていたユニセフの教育専門官の多くがこれに該当するのですが…。 しかし、こと教育セクターに限って言えば、言われるほどにはわざわざ大金をはたいてRCTのような実験を実施する必要はないという訳ではありませんが、少なく