大量生産されている工業製品はほとんどが自動で作られている。しかし一部の部品、精度が要求されるものについては人の手によって作られ続けている。 トランペットのピストン、スポーツカーのエンジンに使われるバルブ、どれも製造時に微妙な調整が必要になる。それができるのは人だけだ。 実はコンセントも人の手で作られている。もちろん一般の家庭用のものは大量生産されたものだが、一部の特殊な電気製品に使われているものはいまでもハンドメイドなのだ。 コンセント職人の匠の技を紹介したい。(林 雄司) 下町が誇る世界の技術 事前にもらった住所にあったのはプレハブの一見、小屋風の建物である。小屋風というか、小屋だ。ここに世界に誇るコンセント技術があるのだろうか。 入り口にいた女性に聞くと確かにここが東和コンセントだという。ちなみに表札には和田と書いてあった。工場長の名前だろうか。 取材である旨を伝えると奥の作業場に案内