僕は柄谷行人さんを非常に尊敬して時々飲んでます。彼いわく、バーチャルな貨幣をつくれると思ったのは完全に間違いだったと。NAM(詳しくは『NAM―原理』柄谷行人著、太田出版 を)をやって分かったけれど、地域通貨でうまくいっているのは、映画の鑑賞券という実体がある「おうみ」だけだと。 「おうみ」は2004年以降は地域通貨の活動を休止中とのことですが、柄谷さんの言うように、この地域通貨には意義があったと思います。 それは、歴史なんですよね。何となくこの本を読んでいて、僕は金というものが今後、貨幣として復活するような気がしました。 金の裏付けをなくした貨幣が恐慌を呼んだ 山岡 これまでお話ししてきた「歴史の反復性」の一方で、当然のことながら、80年前の世界恐慌と現代の世界同時不況では異なる点も多くあります。経済を成り立たせている根幹部分で、最も大きく違うのは通貨制度ですね。世界恐慌は、各国の通貨と