兵庫県佐用町で昨年8月に18人が死亡、2人が行方不明になった豪雨災害で、避難中に家族を亡くすなどした2遺族9人が「町の避難勧告の遅れが原因で死亡した」として、町に総額約3億円の損害賠償を求める訴訟を10日、神戸地裁姫路支部に起こす。 原告弁護団によると、水害をめぐり、国や地方自治体の河川やダムの管理が問われたケースはあるが、避難勧告の在り方を問う訴訟は異例という。 原告は義理の娘と孫を失い、別の孫が行方不明となった小林武さん(69)や、母と妹を亡くした井土一馬さん(19)ら。 訴状によると、町は平成19年、町地域防災計画を作成。佐用川の水位が避難判断水位の3メートルに達した時点で避難勧告を発令することになった。ところが、昨年8月9日午後7時58分に避難判断水位に達しながら、町が避難勧告を出したのは約1時間20分後の午後9時20分だった。その直後、小林さんらの家族計5人が自宅から避難する途中