いま、自動車業界で注目が集まっている「衝突回避システム」。トヨタ自動車の開発した最新システムをこのほど試乗体験した。 車は時速70キロ弱で、直進していた。数十メートル先に目をやると、歩行者に見立てた人形が飛び出してきた。 「危ない!」 運転席で恐怖を感じた瞬間。車内に警報音が鳴り、急ブレーキがかかった。このままではぶつかってしまう。その時、ハンドルが自動的に右に切られた。車は、人形と1メートルほど離れた場所に止まっていた。 衝撃でシートベルトが肩に食い込み、痛かった。私は座っていただけ。ハンドルやブレーキを操作したのは「システム」だった。 これまでは歩行者を認識し、自動ブレーキが作動する限界は時速40キロだった。前方の障害物を見つけるレーダー類の性能が向上し、新システムは時速60~70キロでも作動可能になった。障害物をよけるため、瞬時に回避スペースを見つけ、ハンドルを自動操作する機能も新た