タグ

ブックマーク / eboli.exblog.jp (16)

  • そして5月広場で : 漂流生活的看護記録

    ブエノスアイレスに来て1週間になる。70年代から80年代にかけて、南米はどの国も一通りクーデターの洗礼を受けており、アルゼンチンもその例に漏れず76年から...ブエノスアイレスに来て1週間になる。 70年代から80年代にかけて、南米はどの国も一通りクーデターの洗礼を受けており、アルゼンチンもその例に漏れず76年から83年まで、軍事政権下にあった。今回わたしが日を発つちょうど1週間前、アルゼンチン軍事政権時代のリーダーだったホルヘ・ビデラが獄死した。わたしはそのニュースをたまたまこちらのインターネットラジオを聞いて、リアルタイムで耳にしたのだが、その時思い出したのは7年前の暮れ、チリのピノチェト元大統領の死のニュースをエクアドルのテレビで見たときのことである。番組では当時のピノチェト派の行った過酷な弾圧、拉致や拷問について、そしてサンチァゴでかつての反ピノチェト派が集会を行っている映像が繰

    REV
    REV 2013/06/03
  • 証明せよ : 漂流生活的看護記録

    中学の卒業式の思い出話はいいネタだったのだが、実は中学生活全般を通してみると、あまり楽しい時期でもなかったりするのである。わたしの髪はもともとかなり派手な...中学の卒業式の思い出話はいいネタだったのだが、実は中学生活全般を通してみると、あまり楽しい時期でもなかったりするのである。わたしの髪はもともとかなり派手な赤毛で、どこの学校に転校しても必ず一度は呼び出されてそれは染めているのか地毛なのかと尋問された。ある学校でもやはり職員室に呼ばれて尋問されたとき、赤毛がダメなら黒く染めれば問題ないですねと言うと毛染めは校則違反だからダメだという。だったらどうすればいいのかと聞くとそれが地毛で「染めていない」という診断書を医者にもらって提出しろと言われた。そういう証明なら医者よりむしろ理美容師の方が専門ではないか、なによりそんな診断書、何科の医者に診てもらえばいいのかと聞くと「赤ん坊の時からずっと診

    REV
    REV 2013/03/18
  • 名誉回復 : 漂流生活的看護記録

    ペルーでは今年に入ってから学校でのいじめが原因とされる自殺が都市部を中心に相次いでおり、7月の終わりには自殺者は7人を数え、事態を重く見た教育省が公立私立...ペルーでは今年に入ってから学校でのいじめが原因とされる自殺が都市部を中心に相次いでおり、7月の終わりには自殺者は7人を数え、事態を重く見た教育省が公立私立を含めたすべての初等、中等教育機関に調査を入れたところピウラ県だけで240件のいじめの報告があった。そして先月はアレキパにある軍学校で15歳の生徒が農薬を飲んで自殺を図った。幸いこちらは一命をとりとめたが、現在学校でのいじめが原因で自殺した生徒は今年に入りすでに13人にのぼる。リンク先の記事によると、ペルーでの去年の自殺者は国民全体で312人、今年は現時点で201人となっている。日の年間3万人(未遂や24時間以降の死亡などカウントされないケースも含めると10万ともいわれている)と

    REV
    REV 2012/10/09
  • 「正しい」被害者 : 漂流生活的看護記録

    3年前の年の暮れ、ボリビアから帰国する前にしばらくのんびりしようとペルーのリマに立ち寄っていた。ある夜、現地で知り合ったアメリカ人男性とリマ旧市街のカフェ...3年前の年の暮れ、ボリビアから帰国する前にしばらくのんびりしようとペルーのリマに立ち寄っていた。ある夜、現地で知り合ったアメリカ人男性とリマ旧市街のカフェで飲んでいたら、店先の通りでペルー人男性二人が白人女性を無理やりタクシーに押し込もうとしているのを見かけた。その女性はテラス席で飲んでいたわたし達を見ると「助けて!」と英語で助けを求めて走り寄ってきたので、わたしは彼女を自分の後ろに庇いながら「何をしようとしてるの!?彼女嫌がってるじゃない、やめなさいよ」と男達に言うと、彼らは「ホテルの場所がわからないと言うから送っていこうとしているだけだ、邪魔するな!」とわたしに掴みかかってきた。わたしは胸倉を掴まれながらも店にいた他の客達に向か

    REV
    REV 2012/09/22
    マニュアルの哲学的意味について。分厚いマニュアルは、「マニュアル遵守していないじゃないか」と、ぶんなぐる為に使われるが、「マニュアル不備」というボディブローを防御するためにも用いられる。
  • 決意はいつでも翻る : 漂流生活的看護記録

    今ではほとんどが蘇生後脳症の遷延性意識障害の患者ばかりになってしまったが、うちの病棟は来ALSや筋ジストロフィーなどの神経難病の進行で人工呼吸器管理が必...今ではほとんどが蘇生後脳症の遷延性意識障害の患者ばかりになってしまったが、うちの病棟は来ALSや筋ジストロフィーなどの神経難病の進行で人工呼吸器管理が必要になった人たちのための病棟である。あるとき在宅で介護を受けてきたのだが、肺炎で急激に呼吸状態が悪化し、救急搬送された先で挿管されて人工呼吸器をつけることになった神経難病の患者が転院してきた。身体症状の進行でもうすでに在宅での介護に限界を感じ始めていた家族も、介護の上にさらに人工呼吸器管理が加わるのはもう無理だということで、退院し在宅に戻るのではなく、うちへ転院してくることを選んだのだ。 ある夜、夜勤中に痰の吸引をしていると患者が何か言いたげなので、透明文字盤を使って聞いてみると「

    REV
    REV 2012/09/20
    無理矢理生かされているとか、スパゲティ症候群だとか散々非難しておいて、「決意はいつでも翻る。生き汚くてもいいじゃない。人間だもの」という人間の数が気になる。
  • 値踏みする目線 : 漂流生活的看護記録

    考えるところあって、去年あたりからまた改めて看護学を勉強しなおすことになった。(それでこちらの方でまとまった文章をあまり書けなくなっていたのだが)その中で...考えるところあって、去年あたりからまた改めて看護学を勉強しなおすことになった。(それでこちらの方でまとまった文章をあまり書けなくなっていたのだが)その中で死生学を取ることになり、レポート作成のため必要になって今読んでいる資料に「ラモン・サンペドロの遺書(スペイン語)」というものがある。これは2004年のスペイン映画「Mar adentro」(邦題「海を飛ぶ夢」として日では2005年に公開)のモデルになった、スペインで最初に尊厳死を求めて訴えを起こした人物の遺言である。ラモンは25歳のとき海の事故で頸椎を損傷し、首から下が麻痺した状態で「29年4ヶ月と数日間」(遺書より)を生きた。わたしはその遺書を読みながら、あの話に似てるなあ、と

    REV
    REV 2012/09/17
    尊厳問題の外部委託について。
  • 漂流生活的看護記録 : それで満足ですか?

    しぶしぶたたかうかんごふさん。わたしがまだ卒後5年目ぐらいの頃勤めていた病院に転院してきた、わたしと同い年の女性患者がいた。末期がんだった。もう何の手を打つでもなくなった段階で、苦痛の緩和をしながらゆっくり最期まで過ごしたいと人と家族が望んだので、それまで治療を受けていた都心の大きな病院から、何かあって電話すれば5分以内に駆けつけることができる近所にあるうちの病院に移ったのだということだった。入院からしばらくは意識も清明で、面会に来た友人たちと会話したり、家族がもってきた好きなものを少しずつべたりして穏やかに過ごしていた。わたしは同い年だったこともあって、子供の頃に見たTV番組や中高生の頃に流行ったものの話などをよくしていたように記憶している。ある雪が積もった日に「見たい」と言う彼女を、身を起こしただけでも骨転移であちこちの骨にひびが入るような状態だったので看護師3人がかりでベッドごと

    REV
    REV 2012/09/06
    世話をしない分だけ声を細める人と、世話をしない分だけ声を大きくする人と、二通りに分かれるきがする。
  • 漂流生活的看護記録 : 希望

    しぶしぶたたかうかんごふさん。栄養士をしていた母が「昔は看護婦さんが病棟で経管栄養の素をぬるま湯で溶かして調合してたもんよー、これが油臭くってねえ、とてもやないけど飲んでみようて気になれるもんやなかったわ」と言っていた。わたしが看護師になった10年前はまだ缶やアルミパウチに入った経管栄養をイリゲーターという吊り下げ式のボトルに入れて使っていたところもあったが、今はほとんどがこうした個別のパックになっていて、ディスポーザブルのルートを接続してぶら下げて胃ろうや経鼻胃チューブにつなぐだけのものが主流になっている。昔に比べれば味もずいぶん改良されていて、経口でそのまま飲めるぐらいのものもあるが、毎日これだけ多量の経管栄養を扱っているもので、調子の悪い日などはパックを開封したときに立ち上る甘ったるい匂いに胸がつかえる感じがすることがある、わたしにはどうも無理だ。 ケニアで一緒に働いていたデンマーク

    REV
    REV 2012/05/11
    経管栄養→かわそうだから駄目 じゃあ脳死判定→かわいそうだから駄目
  • 漂流生活的看護記録 : ぼだもちこわい

    そしてまた3600mから再出発日での思い出話なんてものもしてみる。実はこの話、7月の出国前に下書きにして、そのまんま放置していた話で、そろそろ出してもいいかなと思ったのでup。 死体の声をお借りしてきた「冷凍豆ごはん」さんに登場する「自殺演技さん」というのがかなりのインパクトなんだけど、ここまで激しくないとはいえ、似たようなのはよく見かけることがあった。王道、というか定番はリスカとOD(時々過換気)、これでよく救急搬送されてきて、しかも常連になってるもので、救急から問い合わせなんか入ってきたりすると「またその人ですか」みたいな感じになっちゃってるのも多かった。 以前救急搬送されてきたのもやはり常習の人で、もう付近の病院は軒並み受け入れしてくれなくて、たらいが回りに回って、微妙な距離にあるうちの病院に回ってきた、というこれまた定番パターンだった。この人、40代女性で、普段からあんまりにも何

    REV
    REV 2009/10/09
    本文はあまり見ていないけど、「脇が甘い」エントリー、なのかな。
  • 漂流生活的看護記録 : 先にボケた者は幸せ、という嘘

    もうこれ以上働きたくない。ssd先生のところでこういう判決が出ましたよーという記事を読んで。ああやっぱりここまできたかと思ってしまったわけですな。以前にも身体抑制に関しては「防衛看護」で書いたことがあった。ここのところ抑制とは縁のない病棟で働いてはいるが、何年かこの仕事をしていれば誰でも突き当たる話ではあるし。 さて先日、同じように人手の足りない、内科病棟にヘルプに行ったら大認知症&不定愁訴祭り絶賛開催中でナースコールの嵐(泣)、盆暮れや連休のある時期にこういう状態になる(社会的入院が増える)のはどこの病院も似たようなもの。お預かり入院を受け入れているとはいえ、もちろん一般病棟であるから重症者もいてモニターのアラートも鳴り放題に鳴っている(大泣)。そういやちょっと前まではこういうところで働いていたんだなあ、としみじみ思い・・・出している暇なんかなかったなー。 夜勤者からの申し送りもすんで、

    REV
    REV 2008/10/02
    「「かえってその行為が彼らの思う、おのれの主張の「正しさ」を確信させることにつながるから、である。自分は正しいことを言っているから理解されない、誰からもわかってもらえないからこそ、自分は正しい、と。」
  • 漂流生活的看護記録 : たぶん概念が違う、でも見習うべき。

    もうこれ以上働きたくない。エクアドルで一緒に働いていた欧州某国のゲイ法律家と、海外でも有名な日の過酷な通勤ラッシュの話をしていて「家畜輸送列車でもあんなにひどくねーぞオイ、日のビジネスマンは貨物扱いか?」などと言われ、あっ、惜しい、近いっ、似たような感じーなんて言っていたのである。その時に電車内で痴漢に遭う、という話になり、ああ、よくあるねえ、わたしも誰か知らない人にシリを掴まれたりスカートの中に手を突っ込まれたことがあるなあ、と何の気なしに言うと彼は妙な表情になった。あ、やっぱりそういうことする男がいるのって変なのかなあ、と思っていると彼は妙な表情のまま 「エボリー、それってviolación(レイプ)じゃないか!」と言った。 スペイン語ではレイプのことを'violación'という、この言葉は同時に契約の違反や権利の侵害、冒涜という意味も持つ。単なる暴力については'violenci

    REV
    REV 2008/02/29
    「その人が『望まない』身体接触を強要することがすでにレイプだよ。」
  • 漂流生活的看護記録 : 今しか聞けない 2

    もうこれ以上働きたくない。あるとき派遣で行った介護付き老人ホームの入居者の中に彼女の名前を見つけたとき、どこかでその名前を見かけたような気がしたのだが、それがどこであるのか、いつのことなのか思い出せなかった。 「非常に気難しい方なので、対応は特に注意をお願いします」と、ケアスタッフに申し送られた時もいつどこで見たのだか、記憶を必死でたぐっていた。 血圧を測りに彼女の居室に入ったとき、最初に目に入ったのは机に向かって何かを書き付けている彼女と、その向こうにある古びた棚に日に焼けて退色した背表紙の絵がたくさん。その中に、わたしが子どもの頃に読んだ世界の民話のがあった、この中南米とアフリカ、そしてロシア・東欧のシリーズをわたしは母親にねだって買ってもらったものだ。それはとても大好きなで、ボロボロになるまで手放さなかった覚えがある・・・、とそこで初めて彼女の名前をどこで見かけたか思い出した

    REV
    REV 2008/02/06
  • 漂流生活的看護記録 : 今しか聞けない 3

    もうこれ以上働きたくない。「ああ、もちろん自分達にも心当たりがあったってことですよ。『占領した』『軍人』が次はどんなことをするかっていう」 鶴一さんと入れ違いにシャワー室に入ってきた武雄さん(仮名:86歳)はサラッと言ってのけた。非常にダンディな人で、首に手ぬぐい巻きの姿すら、遠くから薄目で見たらアスコットタイのブリティッシュスタイルに見えてくる・・・ような気がしないこともない、昔はさぞかしモテたのではあるまいかと思うステキに粋なじい様だった。 もともとフランス文学を学んでいて多少フランス語も使えた彼は、戦時中は軍属としてフランス領インドシナに送られて働いていたという。終戦後すぐに進駐軍のための慰安所が「両家の子女の貞操を守るため」作られたという話をしていて、彼はこう言った。 「僕はトンキンに2年いたんだけど、まあ色々と南方であったことは聞いていたからね。自分達がしてきたことを思い出したか

    REV
    REV 2008/02/06
  • 漂流生活的看護記録 : 男の責任

    もうこれ以上働きたくない。男性大部屋に点滴のボトル交換に行ったら、その入院患者(50代)が同室のジーさま(80代)となにやらボソボソ話をしている。 女性の大部屋の場合、こういう場面はさほど珍しくもなくて、同じ部屋の患者同士で一日中なんやかやと話をしていたり、見舞い客が持ってきたお菓子を配ったり(事制限とかあるんで原則やっちゃダメですよ)、用事でやってきた看護師がネタにされたりと、入院したらしたでその場でそれなりの生活をエンジョイしているようで、なかなか病室はにぎやかなものだったりする。ところが男性大部屋ではわりあいみんな没交渉、それぞれテレビを見ていたり煙草吸いに出て行ったりとあまり同室患者同士で交流することなんざあまりない。 どうやら彼らはお互いの配偶者についての不満を語り合っている様子。 50代「来るたび文句ばっかりですよー、こっちは病人だってのに」 80代「うちのばあさんも足が痛い

    REV
    REV 2007/10/12
  • 漂流生活的看護記録 : Denialというルール

    もうこれ以上働きたくない。「In Necessity and Sorrow」というがある。邦題は「悲しいけれど必要なこと 中絶の経験」という。著者は心理学者のマグダ・ディーンズ、中絶肯定派でお察しのとおりゴリゴリのフェミニストだ。わかりやすい単位に直すと上野千鶴子5人分に千葉敦子3人分と富岡多恵子を2人分足したような、フェミナチぐらいでピィピィ言っている人が見たらオシッコちびりながら土下座して謝りそうな・・・アンドレア・ドウォーキン程度のレベルのフェミテロリストである。 しかしこのは人気がない。同じ中絶権賛成派の中においてもこのはなかなか受け入れられていない。むしろ字面だけを追えば「中絶女はやっぱりヒトゴロシ!キイキイ」という人が好んで読みそうな内容ではある。 さて、もう慣用句のように使われている「中絶」という言葉だが、そもそも「人工妊娠中絶」とは何だろう?母体保護法の規定云々ではな

    REV
    REV 2006/09/26
  • 漂流生活的看護記録 : コーキョーゼンってどこにあるねん

    もうこれ以上働きたくない。明け方4時ごろ、救急搬送されてきた患者。別にもう帰っても大丈夫だよと言われているにもかかわらず、家が遠いからまた病院に来て外来受診するのに不便だしという理由で入院希望。 しかしその患者、朝になってみると脱走。自宅に帰っていた。 それがたとえ患者の意思で勝手に病院を抜け出したのだとしても、事故などがあった場合こちらが責任を問われることもある。病気や怪我の症状のせいで、その時たまたま判断力を欠いている状態だったと後からゴネられればそれまでである。そういった患者が再度怪我や病気で搬送されてきたとしても、我々は断われない。 たとえ料金を踏み倒していても、さんざん他の患者に迷惑をかけたおす患者であっても、最後には必ず「最低の病院だ!訴えてやる!」と捨て台詞を吐いて出て行く患者であっても、また来ればわけへだてなく診察、看護するんである。時々自分達は賽の河原で石を積み上げている

    REV
    REV 2006/09/05
  • 1