中高生におけるラノベのプレゼンスの低下、読まれるタイトルの固定化(「ソードアート・オンライン」、〈物語〉シリーズ、「キノの旅」といった10年、20年選手が強く、新作は弱い)については、本連載の過去の回でも触れてきた。 しかし、2019年スタートの比較的新しいシリーズが、学校読書調査の中高生男子の「読んだ本」上位に入った例もある。二語十「探偵はもう、死んでいる」(MF文庫J、以下探もし)がそれだ。
ラノベレーベル「ヒーロー文庫」が2012年9月の創刊から35シリーズ・101点を刊行し、毎年20%以上伸長。計450万部を発行する「重版率100%」の人気レーベルとなっている。「ヒーロー党」と呼ばれ、満数出荷が約束されている書店は108店に拡大。文教堂、くまざわ書店、有隣堂、ワンダーコーポレーション、明屋書店、三洋堂書店、リブロ、啓文堂書店、アニメイト、ゲーマーズ、虎の穴、メロンブックスなどには、法人単位で特製拡材の優先出荷。くまざわ書店は前年比260%増と売上げを伸ばしている。 「ヒーロー文庫」の売れ筋は、天酒之瓢『ナイツ&マジック』(6巻、計40万4000部)、内田健『異世界チート魔術師』(5巻・36万部)、蘇我捨恥『異世界迷宮でハーレムを』(同・31万1000部)など。
ポプラ社は2013年12月発売の『桜前線異常ナシ』以来、ポプラポケット文庫で初音ミクや鏡音リン・レンといったクリプトン・フューチャー・メディア製ボーカロイドを使った楽曲を原作にしたボカロ小説を展開している。14年12月時点で6点、累計11万部を発行。作品にもよるが、主な読者層は小学校高学年女子だという。ポプラ社児童書編集局第二編集部コミック担当チーフの崎山貴弘氏に訊いた。 「元々、私が弊社の子会社であるジャイブに所属しておりまして、初音ミクブームの初期(07年末)から、ミクのキャラクターデザインを手がけたKEIさんによるコミックス『メーカー非公式 初音みっくす』などを発行していたんです。漫画のアンケートの返りを見ていると、最初は男性が多かったのが11年頃を境に、小中学生女子からしか返ってこなくなったんです」
東京大学大学院情報学環はこのほど、角川文化振興財団からの寄付で、日本のマンガ・アニメなどのクリエーター育成やコンテンツ研究を行うプロジェクトを立ち上げた。名称は「角川文化振興財団メディア・コンテンツ研究寄付講座」。評論家の大塚英志氏が特任教授を務める。 具体的には、アニメやマンガといった日本のカルチャーにおける(1)人材育成、(2)研究、(3)社会発信を行っていく。(1)では、第一線のクリエーターを招き、東大と海外の学生を対象としたワークショップやフィールドワークを実施。(3)では、知的財産権や文化戦略におけるシンポジウム・研究会などを行っていく。 3月11日にはキックオフイベントとして、大塚氏、KADOKAWAの角川歴彦会長、ドワンゴの川上量生会長らによるシンポジウムを東京・文京区の東大本郷キャンパスで行う。 1月28日に行った記者発表で情報学環メディア・コンテンツ研究機構の石田英敬委員
直営既存店の売上げが低迷するなか、来年3月までをめどに20店を閉鎖する。現在、直営店は約330店、FC店は560店。 2014年度中間(H25.4.1~同9.30)連結決算で、売上高は387億4700万円(前年同期比4.8%増)。ブックオフ事業の売上高も267億3200万円(同3.4%増)。ブックオフ既存店の売上げは同2.9%減だったが、新規出店やオンライン事業が貢献して増収だった。営業利益は1200万円(同98.2%減)、経常利益は2億8100万円(同68.8%減)、中間の最終損失は1億1700万円。 今後は新規出店を抑制し、新刊の書籍や雑誌、カフェ併設など、新たな店舗パケージの開発に投資をシフトしていく。
ネット小説のプラットフォーム「小説家になろう」の人気作品を、現在主婦の友社が書籍化している。2012年9月に創刊した「ヒーロー文庫」は、重版率100%を誇る。 初版は最低3万部、直近では6万部を発行したタイトルもあるが、刊行した全点を増刷。読者層は20~30代男性が中心で、発売後1週間の消化率は「とらのあな」や「アニメイト」などのオタク専門店では9割以上、一般書店でも7割以上を達成する。書店からの注文が引きも切らない。赤雪トナ『竜殺しの過ごす日々』は早くもシリーズ6巻まで刊行、累計発行部数は30万超だ。 しかし、刊行点数は月に1、2冊と少ない。これは、現場の編集者が高原秀樹氏だけだからである。オタク専門店のスタッフが「えっ!本当ですか?」と思わず言葉を発するほどの人気作家に加え、四季童子氏をはじめとする一線級のイラストレーターを高原氏が口説き落とした。以前、同社がケータイ小説を単行本化して
約4年前に発売された書籍『覚えておきたい!暮らしの基本100』(扶桑社)が街の本屋さんの一言から生き返り、この7月に発行部数が累計16万部にまでなった。 同書は2006年10月の発売からおよそ五週間で売行きが止まってしまっていた。しかし、昨夏にブックショップ書楽(東京・杉並区)から「雑誌棚に差しておくだけで売れる」という何気ない一言から、インデックス付きの見本を拡材として、東京近郊のBOOKS昭和堂(千葉・習志野市)、紀伊國屋書店玉川高島屋店(東京・世田谷区)、有隣堂ルミネ横浜店(横浜・西区)で仕掛け販売を開始。 昨年9月には「ちょっと困ります。こんな本出されたら他の本が売れなくなるでしょー! このボリュームで980円は安い!」というヴィレッジヴァンガード福山ロッツ店(広島・福山市)の手書きPOPを見本に貼って、全国のおよそ1500店舗で拡販態勢を敷いた。昨年12月、ラックス奈良柏木店(奈
コミックとらのあなを運営する(株)虎の穴の平成20年6月期(第12期)業績は売上げこそ2桁増としたものの、前期損益修正損などで特別損失が膨らみ、最終利益は赤字となった。 売上高は前年比15.7%増の171億8500万円となり、創業以来初の170億円台にのせた。吉祥寺店(120坪)の新規開店やなんば2号店(42坪→139坪)の移転増床、三宮店(42坪→169坪)の増床に加え、ライトユーザー増加で既存店も健闘、通販部門も同17.5%増と大幅に伸びたことで、売上げが押しあげられた。 業容拡大に伴う人件費の増加やシステム投資などで販管費が同19%増となった結果、利益面を圧迫した。営業利益は1億9700万円(前年比32.0%減)、経常利益は1億5500万円(同29.0%減)となった。在庫の計上ミスを前期損益修正損に繰り入れたため、当期純損失は2億1300万円となった。 分野別の売上高は次の通り。 ▽
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