東京メトロの地下鉄駅構内で、本を駅利用者に貸し出す「メトロ文庫」の閉鎖が相次いでいる。1999年には27駅に29か所あったが、現在、14駅で15か所と半減した。貸し出された本の多くが返却されないうえ、最近ではゴミ箱代わりに古雑誌などを置いていく悪質な行為も目立つためだ。同社では「文庫は本の寄贈者の善意で成り立ってきたが、マナーの悪さのためになくなるのは残念」と話している。 東京メトロによると、2004年以降、文庫を閉鎖したのは、霞ヶ関、市ヶ谷、護国寺、神楽坂、東池袋など8駅。88年に最初に文庫を設けた四谷三丁目駅も、一昨年6月、16年余の歴史に幕を閉じている。 この文庫はそもそも、「地域交流」を目的に、住民や団体から本を寄贈してもらうことで運営を開始。貸し出しの手続きはなく、一人で何冊でも借りられ、返却期限も定めていない。「読み終わったら返す」というのが唯一のルールだ。 しかし、実際には、