岡崎市立図書館のホームページで閲覧障害が起き、自作プログラムでアクセスした男性が逮捕され、起訴猶予になった問題で、同市の柴田紘一市長は7日、定例会見で「男性には気の毒な思いもあり、おわびをした」と話した。一方、男性は取材に「市から謝罪はない」とし、公式な謝罪と図書館が県警に出した被害届の取り下げを求めた。 市によると、男性は10月に中央図書館を訪れ、面会した大羽良館長は知識不足や対応が業者頼みになったことをわび、男性も「お騒がせしてすみませんでした」と話したという。大羽館長は7日、「問題は双方とも理解し合っている」と市広報を通じてコメントした。 男性は同日、取材に「大羽館長の気持ちは聞いたが、公式な謝罪とは受け止めていない。市に都合の良い解釈で、館長の言葉で私への謝罪が済んだような受け取り方には違和感がある」とした。 その上で、「閲覧障害は図書館システムの問題で起きたのに、今も図書館
県内最大規模の集荷量がある郵便事業会社横浜支店(横浜市西区)で、男性正社員がパートなどの非正規社員に対し「年賀状を販売しないと時給にひびく」などと迫っていたことが、関係者の話で分かった。非正規社員の1人は、朝日新聞の取材に「圧迫と感じた。販売するあてはなかったが、自腹で購入した」と話している。 (木村尚貴) 郵便事業会社広報室は「ミーティングなどで販売しないと時給にひびくという発言があった」と認め、「不安を招くような言い回しだった。個々の商品をたてに、時給など業務上の評価をすることは慎むよう指導する」と説明した。 郵政民営化に伴い、郵便局は、窓口業務をする郵便局会社と、郵便物の配送・集荷などを行う郵便事業会社に分かれた。 取材に応じた横浜支店の非正規社員は、年賀状の窓口販売が始まった11月前、上司にあたる正社員に呼ばれ「営業に協力するように」と求められた。その際にも「販売しないと時
今年はクマの出没が目立ち、4月〜10月末に例年の倍以上の192頭が捕獲された。過去最高の333頭が捕獲され「大量出没」と騒がれた2006年度ほどではないが、人身事故は9件と、ここ20年では最も多い。人とクマの共存をどう図るか、関係者は頭を痛めている。 10月17日、草津白根山で紅葉の写真を撮りに遊歩道を歩いていた男性がクマに襲われけがをした。レストハウスの男性従業員は「3年ほど前から来ているが、こんなことは初めて」と驚いていた。草津町の担当者は「実のなる木も少なく、本来はクマがやって来ない地域なのに」と首をかしげる。 今年は全国的にクマの出没や人への被害が相次ぎ、県内でも被害が多発した。いずれも1人でいるときで、大半はクマよけの鈴などは身につけておらず、クマとばったり出合ってしまうケースが多い。早朝や夕方など薄暗い時間帯が最も危険だ。 今年はクマのエサとなるドングリ(ブナ科の木の実)の実り
松橋吉太郎さん。後ろは、映画で使われたこともあるヒグマのはくせい=北秋田市阿仁の打当温泉「マタギの湯」 クマによる人や農作物の被害が相次いでいる。県内では今年度、8人がけがを負い、目撃は400件を超えた。大量出没の背景に何があるのか。「山の専門家」である伝統狩猟者「マタギ」に尋ねた。 クマの出没は今も続いている。19日午後1時半ごろ、能代市腹鞁ノ沢の能代市保健センター敷地内に子グマが現れ、捕獲の際、市臨時職員の男性が左手中指をひっかかれ、軽いけがをした。 通報を受けた市農林水産課によると、子グマは体長約70センチ。その後、子グマは隣の能代山本医師会病院に入ろうと、ドアをよじ登ったり、センター職員らが捕獲しようとかぶせた網をすり抜けたりした。約20分後に捕獲され、猟友会員の手で山に放された。 先月22日にも北秋田市阿仁根子の山中で、キノコ採りをしていた市内の団体職員の男性(63)が、親グマ2
この秋、人里に出没するクマが相次ぐ。人を襲ったクマの射殺に対し、動物愛護団体などから抗議が集まり、地元は困惑している。抗議や批判の背後には、クマの絶滅が近いかのような意識も透けてみえる。だが、実際にはクマの生息数調査は進んでおらず、実態が見えないまま射殺の是非論だけが先走っている。 「なぜ射殺したのか。クマに非はない」「福祉施設なのに、動物に優しくできない人が人に優しくできるのか」 10月に女性看護師がクマに襲われた勝山市のデイケア施設に届いた手紙だ。クマは一晩施設内にとどまり、その後市の依頼を受けた地元猟友会員によって射殺された。九州から出された手紙の主は匿名。文字や書き方から中高年の女性と見られた。 施設の池端定男デイケア長は「いろんな意見があるのはわかる。でも我々が射殺したわけでもなく、なぜこんな手紙が来たのか」と複雑な表情を見せた。 勝山市にも、メールと市のホームページへの書き込み
高速増殖原型炉「もんじゅ」の原子炉容器内に落下した燃料交換用の「炉内中継装置」は変形して簡単に引き抜けないことが9日、日本原子力研究開発機構の調査で判明した。機構は落下事故後、来夏にも第2段階の試験「40%出力試験」に入るとしていたが、さらに日程がずれ込むことは確実だ。それでも早期の装置引き上げを目指すとし、来年度中の運転再開の目標を掲げ続ける。 炉内中継装置は長さ約12メートル、直径46センチの円筒形で、重さは約3トンにも及ぶ。装置を原子炉容器内から出さないと、運転再開ができない。 もんじゅは今年5月、ナトリウム漏れ事故から14年5カ月ぶりに試験運転を再開。7月に第1段階の試験が終了した。第2段階の40%出力試験に向けて燃料交換作業を終え、装置は8月26日にクレーンで容器の外に搬出する途中に落下した。その後、2度にわたって装置の引き上げを試みたが、失敗していた。 機構が9日、カメラで内部
北秋田市綴子の医療法人社団博愛会・鷹巣病院で入院患者らにインフルエンザが広まり、49人が集団感染、お年寄り6人が亡くなった。院内の感染対策はどうなっていたのか。県が発表した6日、病院側は「責任者不在」を理由に経緯を明らかにしなかった。 県によると、10月31日に80代男性が、今月2日には90代と60代の男性、70代女性の計3人が死亡。さらに4日に80代女性、5日に80代男性が相次いで亡くなったという。 国道7号沿いの鷹巣病院には6日夕、報道関係者が詰めかけ、病院側に説明を求めようとした。中に職員らがいるものの、インターホンにはほとんど答えず、電話にも出ない状態が続いた。外からは、看護師とみられる人たちが廊下を行ったり来たりする姿が確認された。しかし、声をかけても反応はなかった。病院関係者とみられる人に問いかけたが足早に去った。 午後6時45分ごろ、病院職員からの依頼を受けて警察官が巡回に訪
繭の生産量が全国一の群馬県で、産業用の遺伝子組み換え蚕の飼育が始まる。地元企業が、医薬品の製造に使われる特定のたんぱく質を繭から取り出す計画で、来春以降の商品化を目指している。研究用ではなくビジネス利用を目的とした遺伝子組み換え蚕の飼育は世界初という。 遺伝子組み換え蚕は10年前に、農業生物資源研究所(つくば市)が世界で初めて作り出した。クラゲの蛍光たんぱく質を作り出す遺伝子を組み込んだ光る繭が代表例で、医療に役立つたんぱく質を含んだ繭を作らせ、必要なたんぱく質だけを取り出す研究も進んでいる。 今回の蚕に組み込まれるのは、医療用の検査薬などを製造する過程で使われる「プロテインA」を作り出す遺伝子。医薬品メーカーの免疫生物研究所(本社・藤岡市)が昨年7月から、県と共同で研究を進めていた。 県蚕糸技術センターで、JA前橋市の養蚕農家6人が、16日から2系統6千匹の飼育を始める。繭の納品は来月2
消費者問題に熱心に取り組んできた秋田市泉北3丁目の弁護士、津谷裕貴さん(55)が4日未明、自宅で殺害された。殺人容疑で逮捕された菅原勝男容疑者(66)は、津谷さんが担当した離婚調停で、相手方の当事者だった。「調停がうまくいかなかった」などと供述しており、うらみを募らせたらしい。剪定(せん・てい)ばさみのほか、爆発を目的にしたガスボンベ、拳銃のようなものを用意するなどしており、県警は「強い殺意があった」とみている。 「午前4時ごろ、何か大きな物が落ちるような『ドーン』という大きな音で目が覚めた」。津谷さんの近所に住む女性(54)は未明の様子をこう話した。別の男性(63)は、戸を拳で殴るような大きな音がしたと振り返った。 県警によると、菅原容疑者は就寝中の津谷さんを狙ったとみられる。津谷さんとは別の部屋で寝ていた妻は「殺してやる」などという怒鳴り声を聞いたという。 津谷さんの弟で、同じ法
南魚沼市の国道で6月に起きた重傷ひき逃げ事件を南魚沼署が約3週間放置していた問題は、被害者の妻の執念の「捜査」と地域住民の協力が、警察を動かし、事件解決につながった。一方、警察はなぜ、素早い対応が求められるひき逃げ事件として必要な捜査をしなかったのか。疑問は今も残る。(大内奏) 被害者の妻が知人に「助けてほしい」と協力を求めたのは、遅々として進まない捜査への不安や、警察の対応への不信感があったためだ。 実際、現場での検問やビラ配布などひき逃げ事件としての捜査や情報収集は行われなかった。 状況を一変させたのが、防犯ビデオの映像だった。知人の機転で、現場近くのコンビニに残っていた映像を掘り起こした。 映像を確認した妻の動きは素早く、翌日には、ひき逃げ現場近くにいて、通報を依頼した女性宅を訪れた。警察からは教えてもらえず、自力で探し出した。女性は妻の行動に必死さを感じ、当時の状況を話した
珍品野菜や大物野菜などを自慢し合う「自まんこコンクール」が2日、横手市のJA秋田ふるさと金沢総合支店であり、1本の芯から9個の玉ができたキャベツなどが出品された。 同JA女性部金沢支部員が家庭用に作った約40種類179点。大物、良品、珍品の部に分かれ、出来栄えなどを競った。 大きなカボチャやハクサイ、形のいいネギやニンジンに交じって、珍品の部では、表面にカエルがミイラ状に張り付いたままのリンゴや、カメの形のジャガイモなども。 女性部の久米アサ子支部長(64)は「我ながらよく出来た、という品を楽しむ祭り。面白い野菜は土の中の芸術品です」と話していた。
日本原燃は28日、六ケ所村で、使用済み核燃料を再利用してプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を作る国内初の「MOX燃料工場」の建設を始めた。国の核燃料サイクル事業の中核を担う施設だが、隣接する再処理工場では試運転でトラブルが続き、同工場完成を2年延期したばかり。サイクル事業が順調に進むかどうかはまだ不透明だ。 原燃によると、MOX燃料工場の建設費は約1900億円。2016年3月の完成予定で、原燃社員300人が同工場で働くという。 この日、安全祈願祭に参加した川井吉彦社長は「高品質低価格のMOX燃料を製造する世界一の工場を造ろう」とあいさつ。祈願祭の後、報道陣には「多額の工事であり、いろんな意味で地元への波及効果がある」と、経済的なメリットも強調した。 また、報道陣からサイクル事業の見通しを問われると、「再処理工場、MOX燃料工場ともしっかり安全第一で進める。全力を挙げて取り組む」
●岡崎市、費用負担求める 愛知県岡崎市立図書館でシステムに問題があり、ホームページへのアクセスがサイバー攻撃のように見えたり、個人情報が流出したりした問題を受けて、同市はシステム業者に契約打ち切りの方針を伝えた。解約に伴って生じる費用は業者に負担を求める。 業者は三菱電機インフォメーションシステムズ(MDIS、東京)。同市立図書館のシステムはコンピューター約150台などで構成され、主に2005年契約と08年契約の端末があり、5年リースの契約。05年分は今年9月に5年分の契約を結んだが、すべての契約を解除し、別の業者の選定を始める。 新たなシステムの導入は早くても11年末になる予定で、それまでは現行のシステムを使うが、利用料金は払わない。契約解除に伴う違約金の負担も同社に求める。市はこうした費用負担を一連の問題に対する損害賠償ととらえ、応じない場合は法的措置も辞さないとしている。 図
福島、青森県警共同捜査本部は、ファイル共有ソフト「カボス」を使い、子どもの裸などが写ったポルノ画像をインターネット上に公開したり公開目的で所持したりしたとして、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで茨城県の歯科医師ら3人を現行犯逮捕し、28日発表した。 逮捕されたのは、茨城県土浦市大和町、歯科医師中嶋祐(32)、同県取手市宮和田、無職水野正雄(35)、山形県鶴岡市丸岡、会社員丸山裕也(22)の3容疑者。 捜査本部によると、27、28日の2日間、全国21都道府県警が行った一斉捜索の一環で「カボス」を使ってサイバーパトロールを実施。中嶋容疑者は自宅のパソコンを使い、医師の鑑定で18歳未満と判断された女児のポルノ画像複数枚を同ソフトに公開した疑いが、水野、丸山両容疑者はそれぞれ同様の画像を公開目的で所持していた疑いがある。捜査本部は今後、画像の入手方法や時期について調べる。
1994年に長野県松本市で起きた松本サリン事件で被害に遭った河野義行さん(60)が、松本市から鹿児島市に引っ越してきた。 ――なぜ鹿児島へ。 60歳になったら仕事をせずに暖かい場所でのんびりと隠居生活を送ろうと思っていた。鹿児島はほどよく都会で田舎で、暖かくて、食べ物はおいしいし、趣味の釣りができる。離島への移住を考え、本当は口永良部島に住みたかったが、交通の便が悪い。以前釣りなどで訪れ、海があっていいなと思っていた鹿児島市を拠点にすることにした。 ――なぜのんびりとした生活を送ろうと思ったのですか。 44歳の時に事件が起き、その後1年間は身の潔白をはらすために、その後の13年間は(サリン被害で意識不明となった)妻(澄子さん)の介護をしながら仕事や講演活動をして、子ども3人を大学までやって、と必死に働いてきた。睡眠4時間という忙しすぎる生活をリセットしてのんびりしたかった。2008年に妻が
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