下馬評を覆しドナルド・トランプの勝利で幕を閉じた2016年の米国大統領選挙や、これまた事前の予想を覆すブレグジット(EU離脱)賛成という結論が出た英国の国民投票において、主にネット上でばらまかれる虚偽情報、いわゆる「フェイクニュース」が大きな役割を果たした、ということになり、洋の内外を問わず様々なところでフェイクニュースを巡る議論が盛んに行われるようになった。私もいくつかカンファレンス等に参加したのだが、率直に言って、個人的には違和感のある議論が多かったように思う。 なぜ違和を感じたのか自分なりに考えてみたのだが、フェイクニュースについて発言する論者の多くがメディア関係者のせいか、どうもフェイクニュースの供給側に偏った議論が多いせいではないかと思われる。供給側の議論とは、ようするにフェイクニュースをばらまくメディアの側に問題があるということで、例えば業界団体による自主規制であるとか、ファク
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