時計の針は既に120分を回っていた。延長後半終了間際に自身で得たFK。リオネル・メッシの左足から放たれたボールは、ゴールを捉えきれずにドイツサポーターによって埋め尽くされたスタンドに向かっていった。 ボールの軌道を最後まで見届けたメッシは、命運が決まったかのようにその場に立ち尽くす。ほどなくして、ドイツの28年ぶり4度目の戴冠を告げるホイッスルが響き渡る。最後にして、最も欲したタイトルをすんでのところで獲り損ねたメッシは、呆然として目の前で湧く歓喜をただ見つめるしかなかった。 改めて言うまでもなく、今大会のアルゼンチンはキャプテンを務めるメッシのチームだった。そして、彼はまさにピッチ上の王様だった。 守備の負担はチームメートに分け振られ、メッシの役割はとにかくゴールを奪うことだけに特化されていた。ピッチを闊歩する王様と、その周りを働き蜂の如く動き回るチームメートの図式は、決勝でも変わ
![W杯優勝までわずかに届かず…メッシは裸の王様だったのか(SOCCER KING) - ブラジルワールドカップ特集 - スポーツナビ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/937cfdb2f7aafc108b25b804d48a703376ccec3d/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Famd.c.yimg.jp%2Fim_siggUjuoLsh6v3EfrCcN2AwyNQ---x450-y354-q90%2Famd%2F20140714-00211869-soccerk-000-6-view.jpg)