私自身、最初から産業医を目指していたわけではありません。そもそもは内科の後期研修医になり、「まずは専門医資格を取得して開業しよう」と考えていました。ですが、その途中でドロップアウトし、そこからは産業医として働いております。 だからこそ、同じように専攻医をドロップアウトし、産業医へと転身を考えておられる若手医師の気持ちはよく分かると思っておりますし、そうした先生方からアドバイスを求められることもあります。 当時のことを今から振り返れば、「こうしておけばよかったな…」という後悔もありますし、過去の自分に今、アドバイスしたいこともあります。特に、辛い日々を過ごしていると、つい近視眼的になってしまい、長い人生におけるキャリアを考えることはできなくなってしまいます。 結果、「この場から逃れたい」という気持ちが先行し、安易に転職してしまう、あるいは後先考えずに退職して、かつての私のように、いわゆるバイ
私が専攻医を辞めて産業医になったのは、30歳になって間もなくです。初めて常勤産業医になった会社は、1日8時間勤務、週4日勤務で年収1千万円でした。これは「臨床医時代と据え置きの年収にして欲しい」と希望した交渉の結果でした。 これに、週1回の非常勤外来のバイトをしていたので、月のバイト代35万円が加わり、年収はトータルで1420万円ほどになります。 独立行政法人労働政策研究・研修機構による「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によりますと、常勤医師のバイト込みの平均年収は1461万円とのことですので、ほぼ常勤勤務医と同じぐらいは稼げていたと思います。 ちなみに、30代の常勤勤務医の平均年収は967万円ですので、同じ30代の医師と比べても、年収面では劣っていなかったと思います。
産業医の求人で、「社内診療所」の兼務をするパターンのものが存在します。産業医として勤務する傍ら、勤務中の何コマか、診療所でのドクターとして勤務するという勤務形態です。 産業医のみの業務を依頼される求人もあれば、こうした「社内診療所」兼務の求人もあります。こうした求人の違いとは何か、ということについて今回は書いてみたいと思います。 産業医+診療所兼務のメリット まずメリットですが、企業側の評価として「産業医だけ」に偏らず、診療所としての働きも加味されるので、契約解除になりにくいというメリットがあると思われます。また、診療所での勤務がありますと、その分、給与も産業医単体よりもアップされやすいです。 産業医としてあまり業務がない時(健診判定業務や、面談が少ない時期はどうしてもあります)にも、手持ち無沙汰とはならず、「とりあえず業務がある」という状態にできることも利点ではあると思われます。 また、
日経メディカルに「循環器内科開業、収益化に必要な「視点」とは」という記事が掲載されていました。 この中で、「外来単価」について触れられており、この「外来単価」とは「1ヶ月あたりの外来診療収益を、同月の外来患者の延べ総数で割ったもの」と定義されています。レストランなどでの「客単価」と同様、1人あたりどの程度の収益があるか、と言い換えることができると思います。 さて、この「外来単価」ですが、「3000円未満」23%で最多、「4000円台」が次いで17%となっています。おおよそ3000~5000円台のレンジに入るように思われます。 では、1日の外来人数はどの程度かと言いますと、季節によって異なってくるようですが、20~50人程度となっています。 外来単価4000円で1日外来で30人診たとすれば12万円、1ヶ月の内20日間勤務したとして240万円となります。ただ、ここから人件費などの諸経費が引かれ
私は転職を3度行っていますが、そのたびに人材紹介会社に相談しており、求人を紹介してもらっています。 この転職活動中、転職エージェントとやりとりをしながら進めていったわけですが、「お互い上手に付き合っていく」上で大事な3つのポイントがあると思いました。このポイントについて、今回は書いていきたいと思います。 希望条件は「出し惜しみしない」「本音で語る」 転職エージェントは、相談者の希望条件をもとに求人をリストアップするわけです。ですので、最初の時点でその「希望条件」がどこかピントのハズレたものですと、希望の条件ではない求人ばかりになる可能性があるわけです。 まずは、希望条件を伝える上では、「出し惜しみしない」「変に格好つけない」「本音を伝える」ということが重要です。 私も、最初の転職活動では「当直なし」という希望条件があったにも関わらず、「こんなこと言ったら、怠け者だと思われてしまうかも…」と
医療系コンサルタントとは、クリニックや病院などの医療施設を対象として再建や改革、再編成などのコンサルティング、または企業での健康経営支援などを主に行うコンサルタントとここでは定義しますが、臨床医からこの医療系コンサルタントへの転職は実際のところどうなんでしょうか? こうした医療系コンサルタントの大手「MEDIVA」の募集要項(メディヴァ採用サイト)を見ますと、まず年俸制で1,000万円~1,400万円+業績連動賞与 年2回の報酬となるとのことです。 業務内容としては、 ・コンサルタントとして、世田谷区用賀(本社)及び国内外クライアント先(医療機関、企業等) ・医師として、医療法人社団プラタナスの分院(外来・訪問診療)、クライアント先医療機関(外来・病棟・訪問診療) となっており、主にこの2つの業務を担当するようです。「医師兼コンサルタント」として業務ができるようです。 さて、こうしたコンサ
「産業医は楽(ラク)」という認識の臨床医の皆さんが結構おられますが(研修医を始めとして…「産業医は楽(ラク)」と考える研修医の認識が間違っている3つの理由)、産業医になるためには乗り越えるべき壁があります。 そのため、「たとえ楽な職場に転職することができるとしても、乗り越えなきゃいけない壁があるんですよ」ということはご認識いただければと思います。 さて、その「3つの壁」とは果たして何なのか、というのが今回の記事のテーマです。 産業医資格の取得 医師免許だけではなり得ないものが3つあります。それは、「母体保護法指定医」「精神保健指定医」、そして「産業医」です。認定産業医の資格(厳密に言えば、労働衛生コンサルタント試験を突破することでもなれます)がまずは必要になるわけですね。 認定産業医の資格は試験があるわけではないですから、ぶっちゃけ「講座を受けて、単位を集める」だけです。ただ、その単位数も
以前、私が勤務していた企業で産業医として働いていた方がつい最近、退職しました。私も3年ほど勤務していたことになりましたが、その産業医も3年で退職しています。 私の前任者も2~3年で退職しており、やはり「長く勤務できない企業」という印象です。実際、こうした企業にはいくつか特徴があり、今回はそのことについて書いてみたいと思います。 転職をお考えの産業医の方だけでなく、企業側も産業医が次々に辞めていきますと、再採用するにしてもコストがかかります。もしお悩みでしたら、ご参考にしていただければ幸いです。 報酬に対して産業医に求めるものが課題 反感を抱かれる覚悟で申し上げますが、企業側にとっては、「年収1千万円」はかなりの高額ですが、臨床医経験者からしますとさほど高額ではないというのが正直なところです。 実際、大企業の課長クラスでもそこまでもらってない方も多いですから、企業側にとっては「大金を払ってや
産業医は常勤であっても、基本は「1年更新」のところが多いです。1回目の更新は「もう一年おためし」として延長してもらいやすい一方、問題がある産業医ですと「2回目の更新はなしよ」と言い渡されることもあります。 特に、大企業で比較的入れ替わりの頻度が高いようなところですと、その分、企業側の目も厳しいため、「更新しようか、どうしようか」と判断されることも多いと思われます。 私も産業医として入職して2年目までは、契約更新がなされるかどうかということで、更新時期に「どうなんだろう?」と内心ドキドキしていました。 さて、今回はそんな契約更新の話題で、「もう、先生の契約更新はないよ」と言われないようにするための3箇条について書いてみたいと思います。 自分から積極的にコミュニケーションを ただでさえ一般社員と異なる立場ですので、人事労務担当者なども産業医には「壁」を感じてなかなか相談しづらいといったこともあ
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