1859年9月17日。 アメリカ独立宣言より120年近くたったこの日、サンフランシスコのとある新聞にこんな記事が掲載されました。 大多数の合衆国市民の懇請により、喜望峰なるアルゴア湾より来たりて過去九年と十ヶ月の間サンフランシスコに在りし余、ジョシュア・ノートンはこの合衆国の皇帝たることを自ら宣言し布告す。―――合衆国皇帝ノートン1世 掲載された即位宣言。 陛下は親政を行う 「合衆国議会には嘘と腐敗が横行し、民衆は正しい保護を受けていない」とした彼は、即位最初の勅令にて、アメリカ合衆国議会の解散を命じます。 しかし、陛下の威光にひれ伏さない不忠者の議員達はこれを無視しました。 事態を重く見たノートン1世は、「帝国陸軍」に議会の制圧を命じましたが、南北戦争前夜でなにかと忙しい合衆国陸軍は、こんなオッサンのたわごとに構うほどヒマではありませんでした。 後に共和党と民主党に解散を命じたりもしまし
