安倍政権は国土強靭化を掲げ、公共事業の拡大に動きだした。だが、日本の“朽ちるインフラ”問題は、短期の景気対策では解決しない。問題解決の処方箋を提示する。 ねもと・ゆうじ 1954年鹿児島生。東京大学経済学部卒業後、日本開発銀行(現日本政策投資銀行)入行。2006年東洋大学に日本初の公民連携(PPP)専門の大学院開設を機に、同大経済学部教授に就任。現在同大学PPP研究センター長を兼務。専門は公民連携・地域再生。主要著書として『朽ちるインフラ』(日本経済新聞出版社)、『地域再生に金融を活かす』(学芸出版社)など。内閣府PFI推進委員会委員、国土審議会委員、自治体公共施設マネージメント委員会委員他兼職多数 笹子トンネル事故以来、社会資本、つまり公共施設やインフラの安全に対する注目が高まっている。 日本の社会資本は短期間に集中して整備された。国土交通省社会資本整備審議会の資料によると、道路が最も多