ブックマーク / kyuusyuuzinn.hatenablog.com (10)

  • 『ヤマノススメ サードシーズン』―ひなたと、あおいと、のぞみぞ概念 - 新・怖いくらいに青い空

    ここのところ『ヤマノススメ サードシーズン』が凄いことになっている。ぶっちゃげ、第6話までは特筆すべき内容はあまりなかった。ロックハート城に行くとか、山の上でコーヒー飲むとか、正直言ってスゲーどうでもいい話で、2期からの惰性で見ているような感じだった。ところが、第7話から、まるで山の天気のように急転直下、あおいとひなたの「すれ違い」を軸として物語が大きく揺れ動きはじめる。 あおいは一緒に池袋に行こうとひなたを誘うが、ひなたはバイトがあって行けない。次の週末も、ひなたはここなちゃんと赤城山に登り、あおいはほのかちゃんと伊香保温泉へ行く。その次の週末も、あおいは他のクラスメイトと池袋へ行くが、ひなたは予定があって行けない。物理的なすれ違いは、やがて心のすれ違いへと発展する。あおいのバイト先に池袋のお土産を持って行こうとするひなた。しかし、いつもとは異なる明るくてテキパキと動くあおいを見て、店の

    『ヤマノススメ サードシーズン』―ひなたと、あおいと、のぞみぞ概念 - 新・怖いくらいに青い空
    Rouble
    Rouble 2018/09/15
  • のぞみぞ概念 - 新・怖いくらいに青い空

    生まれて初めて同じ映画を2度映画館で見た。原作を読むだけでは全然理解できなかったのに、映画を観て、ツイッターやブログで多くの人の感想を見て、再び映画を観ると、自分の中でようやく「のぞみぞ概念」が確固としてきました。 希美とみぞれが2年生の頃のエピソード『響け! ユーフォニアム 2 北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏』において、希美とみぞれの関係性を簡潔に言い表すなら「温度差」、「みぞれ→希美」という一方通行の矢印ということに尽きます。みぞれは希美のことが大好きすぎてやばいことになってるけど、希美はそのことに全然気づかない、という熱量の差、この残酷な関係性(+なかよし川のイチャイチャバカップルっぷり)を見せつけられて「ああ~~~~~~~~~~~尊すぎるんじゃ~~~~~~~~~~」ってなるのが2年生までのお話。 関連記事:『響け! ユーフォニアム』の2年生組の関係性が尊すぎて生きるのがつらい!

    のぞみぞ概念 - 新・怖いくらいに青い空
    Rouble
    Rouble 2018/06/11
    希美がみぞれとの出会いを「おぼえてないんだよね」って嘘つくの好き。
  • 起こり得たかもしれない愛の形―『さよならの朝に約束の花をかざろう』感想 - 新・怖いくらいに青い空

    人間のグループ間には遺伝的差異が注目に値するほど無いということ (中略) は、ア・プリオリな、あるいは必然的真理ではなく、進化史における偶然の事実である。世界はもっと違った形で秩序づけられたかもしれないのである。例えば我々の祖先であるアウストラロピテクスの一種または数種が生き残った場合を考えてみよう―― (中略) 我々ホモ・サピエンスは、知的能力がはっきり劣った人間種を相手にした時、道徳的ジレンマに直面したに違いない。彼らを我々はどのように遇したであろうか――奴隷? 撲滅? 共存? 召使としての労働力? 居留地? 動物園? (S・J・グールド著『人間の測りまちがい 下』233ページ) 『さよならの朝に約束の花をかざろう』と『アンドリューNDR114』 人間よりはるかに長い時を生きるイオルフの民は、人間から「別れの一族」と呼ばれ、人里離れた村で布を織り静かに暮らしていた。彼らの力を利用しよう

    起こり得たかもしれない愛の形―『さよならの朝に約束の花をかざろう』感想 - 新・怖いくらいに青い空
    Rouble
    Rouble 2018/03/06
  • 『響け! ユーフォニアム2』第4話と原作小説との比較 - 新・怖いくらいに青い空

    みぞれの独白と自己嫌悪 アニメの第4話に全体的に足りないのは、各登場人物から放たれる「毒」と、それが自分や相手を容赦なく傷付けていく様だと思います。第4話にしてようやく明かされるみぞれ先輩の心の叫び。希美のことが大好き、自分には希美しかいない、自分が吹奏楽を続けているのは全て希美のため。希美にとって自分は、大勢いる友達の中の一人で、退部することすら教えてもらえない、取るに足らない軽い存在。そんな事実を思い知らされることがたまらなく辛い! みぞれが見せる希美への強い執着。ここまでは原作もアニメもほとんど同じなんですが、ここから原作では次のような台詞が続きます。 「気持ち悪い。こんなふうに友達に執着するなんて」 「そんなことないです」 久美子は静かに首を横に振った。それ以来、どうしていいかわからなかった。震えていたみぞれの声に、微かな嗚咽が混じる。途切れ途切れの言葉が、久美子の鼓膜を激しくぶつ

    『響け! ユーフォニアム2』第4話と原作小説との比較 - 新・怖いくらいに青い空
    Rouble
    Rouble 2016/10/29
  • 『響け! ユーフォニアム』第2期第1話の久美子が素晴らしかったという話 - 新・怖いくらいに青い空

    『響け! ユーフォニアム』第2期、始まりましたね。夏紀先輩は相変わらず大天使だったし、すぐに泣き出す晴香先輩は死ぬほど可愛かったし、みぞれ先輩はもう言葉に出来ないくらい尊かったですね。でも、そんな描写が全部吹き飛ぶくらい、久美子さんが凄いことになってたので、今日はそれについて話そうと思います。 まあ皆もう分かってると思いますが、みどりちゃんや葉月と一緒にいる時の久美子って、ぶっちゃげかぶってますよね。部活や学校などで外にいる時の久美子は、基的にこの「かぶりモード」になってるんですよ。麗奈も言っていたように、良い子ちゃんの皮をかぶって心はほとんど表に出さないようにしてる。 予想外のトラブルなどがあってテンパってる時でも、心を曝け出すことはありません。アニメ第1期では、顧問が変わったことによって起こった部内の対立や軋轢の中で、久美子が散々振り回されていく様子が描かれてました。「振り回

    『響け! ユーフォニアム』第2期第1話の久美子が素晴らしかったという話 - 新・怖いくらいに青い空
    Rouble
    Rouble 2016/10/14
  • 『これからの正義の話をしよっ☆』を読んで、これからのバレンタインデーの話をしよう - 新・怖いくらいに青い空

    第1章 問題の提起 これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学 作者: マイケル・サンデル,Michael J. Sandel,鬼澤忍出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/05/22メディア: 単行購入: 483人 クリック: 15,840回この商品を含むブログ (587件) を見る これからの正義の話をしよっ☆ (一迅社文庫) 作者: 早矢塚かつや,悠樹真琴出版社/メーカー: 一迅社発売日: 2011/07/20メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 191回この商品を含むブログ (7件) を見る 『これからの正義の話をしよっ☆』(以下『正義(ラノベ)』と記す)というライトノベルがある。このタイトルは言うまでもなく、マイケル・サンデルの『これからの「正義」の話をしよう』(以下『正義(サンデル)』と記す)のパロディである。今回の記事では、この2冊をを手掛か

    『これからの正義の話をしよっ☆』を読んで、これからのバレンタインデーの話をしよう - 新・怖いくらいに青い空
    Rouble
    Rouble 2016/03/03
  • 『アオイハルノスベテ』第3巻―学校空間で起こり得る全ての出来事は「輪月症候群」と同じである - 新・怖いくらいに青い空

    アオイハルノスベテ3 (ファミ通文庫) 作者: 庵田定夏,白身魚出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン発売日: 2015/05/30メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る 『アオイハルノスベテ』第3巻読みました。相変わらず、前半の日常パート・ラブコメパートと、後半のシリアスパートとのバランスが絶妙ですね。この作者に限らず、ファミ通文庫はそういう作品が多いような気がします。例えば、『学校の階段』や『バカテス』とかが典型だと思いますが、熱いバトルや感動的なストーリーが見たい、けど、思わずニヤニヤしてしまうような日常のエピソードも見たい、という読者の2つの欲求を同時に満たしてくれるという、我々読者からすれば一石二鳥の内容になっているわけです。 第3巻を読み込むにあたって、まず「輪月症候群」がもたらす能力について基設定をおさらいしてみると、 その能力は輪月高校の生

    『アオイハルノスベテ』第3巻―学校空間で起こり得る全ての出来事は「輪月症候群」と同じである - 新・怖いくらいに青い空
    Rouble
    Rouble 2015/07/22
    “他の雑多な基準はひとまず置いといて、まずは自分の幸せについて考えてみる、という作業をしないと話が始まらない。”
  • 『響け! ユーフォニアム』総評 - 新・怖いくらいに青い空

    演出・ストーリーについて 個人的な好みもあるが、7話、8話あたりから大化けした印象が強い。そこから最終回まで、各話それぞれに異なる見どころや味わい深さがあった。 この手の作品に有りがちな「主人公補正」が一切無く、あくまでも吹奏楽部という組織の一員として主人公を描いていたのが新しいと思った。例えば他の作品なら、新人特有の柔軟な発想で危機を乗り越えるとか、主人公の行動がきっかけとなって部の雰囲気が変わっていったとかいう感じで、主人公にはある程度の活躍の場が設けられている。しかし作の主人公・久美子は終始、吹奏楽部という組織の中で流され、振り回され、苦悩する一人の部員として描かれていた。 部員の数だけ頭の中に思い描く理想の部活像があり、一人ひとり部活に対する考え方も能力も性格も違っている以上、全員が納得できるルールや方針を作ることは不可能だし、摩擦や不満が生じるのは避けられない。例えば、第2話で

    『響け! ユーフォニアム』総評 - 新・怖いくらいに青い空
    Rouble
    Rouble 2015/07/02
    ペットボトルもそうだけど、やたら蛇口が描かれてたのも気になった。
  • (ネタバレ注意)〈古典部〉シリーズ『長い休日』考察―努力と友情、そして信仰の危機 - 新・怖いくらいに青い空

    長い休日 <古典部>シリーズの最新話『長い休日』を早速読んだ。今回の話は、奉太郎が何故「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」をモットーにして生きるようになったのか、そのきっかけとなった小学生時代のエピソードが中心となっている。この話を読んだ時、正直驚いた。ポジティブ方向への転換点を描く物語は全く珍しくないが、ネガティブ方向への転換点を描くのは非常に珍しいからだ。例えば、心を閉ざしていた人が少し心を開くようになったとか、夢を諦めて自暴自棄になっていた人が「自分もまだ捨てたもんじゃないな」と再び思えるようになったとか、そういった前向きな転換は物語にしやすいし、構図的にも美しい。しかし、この世の中にはそれとは全く逆の転換、つまり努力や献身や友情といったものに価値を見いだせなくなるような瞬間というものも確実に存在している。そのような転機のことを作では「長い休日

    (ネタバレ注意)〈古典部〉シリーズ『長い休日』考察―努力と友情、そして信仰の危機 - 新・怖いくらいに青い空
  • 『ココロコネクト アスランダム』私論―「あなた」と繋がりたいという思いが「世界」を変える - 新・怖いくらいに青い空

    はじめに ついに『ココロコネクト』が終わってしまった・・・。正確に言えば、まだ短編集を出す予定があるとのことだが、文研部7人と〈ふうせんかずら〉が繰り出す『現象』をめぐる物語は、ついに終わりを迎えてしまったのだ・・・。何だろう、この寂しさは。壮大な物語が終わった後の、この何とも言えない喪失感。 『ココロコネクト』の総評については短編集が出た後に書くとして、ひとまず今日は、文研部最後の戦いを描いた『ココロコネクト』アスランダム編について、じっくり考察していこう。 ココロコネクト アスランダム 上(特典小冊子付) 作者: 庵田定夏,白身魚出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2012/10/07メディア: ? クリック: 5回この商品を含むブログ (3件) を見る ココロコネクト アスランダム下 (ファミ通文庫) 作者: 庵田定夏,白身魚出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2

    『ココロコネクト アスランダム』私論―「あなた」と繋がりたいという思いが「世界」を変える - 新・怖いくらいに青い空
    Rouble
    Rouble 2013/04/04
  • 1