ブックマーク / yamata14.livedoor.blog (9)

  • ピクシー・ワークス : 徒然雑記

    【ピクシー・ワークス】 南井大介/バーニア600 電撃文庫 Amazon bk1 すっげええ。もう、これは凄いとしか言いようがない。この作者、何を考えてこんなとんでもない常軌を逸したキャラクターどもを造形したんだ!? もう、メチャクチャ面白かった。何が面白かったって、コイツラのイカレっぷりですよ。 女子高生女子高生って、こいつらそんな【女子高生】なんて肩書きで語っていい存在じゃないでしょう!? 女子高生なんて甘酸っぱい響きによって結ばれるような人間じゃないよ、こいつらは。こいつらは偶々今高校生というだけで女子高校生という枠組みの範疇に入ってしまっているだけの、化け物どもですよ。こんなのを女子高生なんていったら、普通の女子高生に失礼だ。 女子高生が戦闘機を直して飛ばす青春モノ、なんて風に要約したらこの作品の姿形がまるで違うものになってしまう。 彼女らが優秀だから、尋常ならざる能力を持ってるか

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  • 鷲見ヶ原うぐいすの論証 : 徒然雑記

    【鷲見ヶ原うぐいすの論証】 久住四季/カツキ 電撃文庫 Amazon bk1 やっばいなあ。鷲見ヶ原うぐいすの可愛さが尋常ではない。性格もひねくれてなくて、主人公を虐めたり罵倒したり足蹴にしたりすることもなく、素直に「ゆずさんゆずさん」と懐いてくる。その様子は明らかに小動物系なんだけど、頭の中までお子様というのでは全然なく、むしろ理知的で礼儀正しく落ち着いた物腰で大人びてすらいる。 さすが探偵役だけあって頭脳明晰で知識も潤沢、主人公の足りないお頭では難易度の高い文言がスラスラと出てくる賢人なんだけど、それでいて主人公への態度は胡乱どころかとてもストレート。かといって強引でも押し付けがましくなく、控え目で慎ましくそっと指を絡めてくるような、服の裾をつまんで引っ張るような好意の見せ方が、それはもうとてつもなく可愛いんですよ。もう、メチャクチャ可愛い。 主人公は例にもれずの鈍感野郎なのですが、こ

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  • 紫色のクオリア : 徒然雑記

    【紫色のクオリア】 うえお久光/綱島志朗 電撃文庫 Amazon bk1 ……言葉を失うという感慨を久々に味わわされた。 これはすごい。当にすごい。 物の傑作。紛う事なき傑作。完全に抜きん出た、卓抜した凄まじい傑作。 すごいものを読んだ。まったく、凄いものを読んでしまった。 これほど際立ったSF作品にも関わらず、同時にライトノベルとして一つもぶれていないのだから、もはや呆気にとられるしかない。 まいったな、これは。体の芯から揺さぶられたまま、未だにうまくこの作品を咀嚼し切れていない。 正直、これをネタバレなしに語るなど難易度が高すぎるんだが、いやネタバレをしたからといって小揺るぎもしないんじゃないのかとも思うんだが、だからと言ってどんな小さな瑕疵すらも付けることに怖れ慄いてしまうこの感覚を無視できようはずもない。 しかし【少女とロボット】というテーマから第一話「毬井についてのエトセトラ

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  • アクセル・ワールド 1.黒雪姫の帰還 : 徒然雑記

    【アクセル・ワールド 1.黒雪姫の帰還】 川原礫/HIMA 電撃文庫 Amazon サブタイトルがこれ、意味深だなあ。主人公はあくまでハルユキであり、この一巻は紛れもなくハルユキのコンプレックスを克服する物語だったわけですけど、この作品の基盤である加速する世界、誰も知らない先の先を渇望する動機を抱えているのは、ヒロインである黒雪姫なんですよね。現段階では、ハルユキは姫に傅く騎士であり、彼女の願いをかなえるために剣を振る存在に留まっている。姫の求道に対して理解と共感は示しても、同じ目的を追求する同志ではないわけだ――今のところはね。あくまで、従者としての立場に身を置いている。その意味では、この物語の主人公はハルユキであっても、作品の主役は黒雪姫の方、と言ってもいいのかもしれない。自らの求める道のために、友たちを裏切りながら目的を果たせず、雌伏して時の至るのを待ち続けていた孤高の黒き雪の姫。

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  • 無限のリンケージ デュアルナイト : 徒然雑記

    【無限のリンケージ デュアルナイト】 あわむら赤光/せんむ GA文庫 Amazon これはなかなか面白かった。というより、ほとんどサクヤの独壇場だよなあ、これは。 若干十六歳の天才工学博士にして、人形の如しと謳われるクールビューティ。というのは見せかけだけで、その実は担当する決闘競技の選手であるロバートに恋する年頃の娘さん。クールビューティーな外面は、もう完璧にロバートによく見せる為に繕ったもので、元々はどちらかというとガラッぱち。粗野で拗ねたひねくれ者。それがロバートと出会った事で恋に目覚め、一生懸命乙女を磨いて、数年かけて背伸びしたのが今のサクヤさんというわけで。 この恋のために頑張る少女のひたむきさ、冷静な見た目と裏腹の内心のクルクルと揺れ動く感情が、可愛らしいったらありゃしない。ヒロインとはいうけど、心情描写はロバートではなくサクヤ中心だし、彼女の方が主人公と言ってもいいのか。 頼

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  • BLACK BLOOD BROTHERS 11.賢者転生 : 徒然雑記

    BLACK BLOOD BROTHERS 11.賢者転生】 あざの耕平/草河遊也 富士見ファンタジア文庫 Amazon 終わった。終わってしまった。 その事実を前にして、湧き上がり押し寄せてくる様々な感情の波に、ただただ翻弄される。 しかし、意外なほど喪失感はない。寂しさもない。もうこれ以上この物語の世界に住まう眩しいばかりの魂の持主たちの姿を読めない、というのにだ。 あざの先生のエンターテイナーとしての手管は、その意味では物語を完結させるやり方においてさえ、読者に対して行き届いていると言っていいのかもしれない。たとえ物語が、ページ上に文字列として描かれる形においては終わりを迎えたとしても、この赤と黒の血が交わる世界が泡沫のように消えゆくのではなく、何一つ終わることなく、先へ、未来へ、次の世代へと引き継がれ、様々な物語が紡がれていくのだろうというヴィジョンを、刻みつけていってくれたのだか

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    SHI-NO
    SHI-NO 2009/05/27
  • 星図詠のリーナ : 徒然雑記

    【星図詠のリーナ】 川口士/南野彼方 一迅社文庫 Amazon うん、これは面白かったー♪ 「わたしが歩いた道を、見たものを、描いていくの。これは、わたしの地図」 父である国王の命を受け、辺境へと地図作りの旅に出た賢く若い王女「リーナ」と護衛の騎士たちは、正体不明の一団の襲撃を受け壊滅の憂き目にあったところを、流れの傭兵「ダール」に助けられる。 何があろうとも任務を全うしようとするリーナと臨時護衛に雇われたダールは、妖魔をかわし、夜盗を退け地図作り旅を続けていく中で宮廷の陰謀を掴むのだが、時を同じくして辺境の迷宮に眠っていた強大な何かが目覚める……。 正統派ファンタジーの新鋭が贈る「格マッピング・ファンタジー」 これは題材の勝利と言ってもいいかも。いや、そうでもないか。単に地図づくりというテーマでは、地味なだけに終わってしまうし、題材の料理の仕方が実にうまいんだわ。 普通なら、地図なんて

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  • ミミズクと夜の王 : 徒然雑記

    【ミミズクと夜の王】 紅玉いづき/磯野宏夫 電撃文庫 Amazon bk1 まあね。私はいつだって涙もろいんだから、泣かされたからってどうってことはないんだ、どうってことは。 orz ええ、泣きました。泣きましたとも。ポロポロと涙がこぼれましたよ。うん、まあ泣かされることはよくあるんですが、今回のこれは、心地の良い、良い涙でした。なんか、そんなイメージね。 というわけで、満を持して読了しました第十三回電撃小説大賞大賞作品。 ビーナスさんて方はあれですなあ。ゴテゴテと着飾らなくても、ベタベタと化粧を塗らなくても、スッピンで素っ裸で、でもだからこそ直視できないほど美しい。 この作品は、まさにそんな感じ。 着飾らない、美しさ。じゃないな。むしろ、何も身につけていないが故の美、というべきか。なんちゅうか、剥きだしなのですよ。恐ろしいくらいに、剥きだし。素っ裸。それで、さあ見ろ。なわけですよ。観ます

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  • ソードアート・オンライン 1.アインクラッド : 徒然雑記

    【ソードアート・オンライン 1.アインクラッド】 川原礫/abec 電撃文庫 Amazon うおおっ、面白かったーーーっ! と最後のページまで読み終えて、じわじわとくる感慨にプルプルと震えながらを置いたのでございますが、いざこうして感想を書く段になり、その内容を改めて思い返してると……はたと困ってしまったわけで。 面白かった、確かにすごーく面白かった。が、大満足だったか、と自問自答するに至り、気づかされてしまったのですよ。自分が全然満足していないというところに。 これ、読んでて感じた作品の持つポンテンシャルからして、全然こんなもんじゃないでしょうに。 はっきり言って、非常に物足りない。この世界観が持つ可能性を生かしきれいていないような気がするわけです。たとえば、作中冒頭にゲーム機、ナーブギアの持つポンテンシャルに対して、用意されたソフトにユーザーたちが物足りなさを感じていたように。 この

    ソードアート・オンライン 1.アインクラッド : 徒然雑記
    SHI-NO
    SHI-NO 2009/04/21
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