宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げに成功した新型固体燃料ロケット「イプシロン」は、打ち上げ簡略化やコストダウンで宇宙への“敷居”を下げ、ロケットの日常化に道を開きました。パソコン2台・数人による“モバイル管制”で、管制室の様子は以前からがらりと変わります。米国の宇宙船「アポロ」の時代から半世紀も続いてきた「重厚長大」型の従来ロケットの常識を脱却する革命ともいえます。 日本は、1955年の糸川英夫東京大学教授によるペンシルロケット発射実験以来、科学衛星計画の発展とともに独自のロケット技術を磨いてきました。しかし、世界最高性能とまでうたわれた「M5」ロケットが2006年、高コストなどを理由に廃止。固体燃料ロケットの復活は関係者の悲願でした。 今回、逆境をバネに開発チームは、未来を切り開くロケットを造りあげました。今回搭載した「ひさき」のような宇宙科学や探査、市民生活の向上のための宇宙開