巨大地震の前触れと考えられている「前兆すべり」が東日本大震災の前に観測されなかったことが、26日に開かれた地震予知連絡会で報告された。前兆すべりの検知を前提とした東海地震の予知体制のあり方が問われることになりそうだ。 予知連では、山岡耕春名古屋大教授が、国土地理院や防災科学技術研究所などの観測結果をまとめて報告。全地球測位システム(GPS)による地殻変動や、岩盤のわずかな伸び縮みや傾きを観測データを示し、「本震前に前兆すべりのような顕著な変動はみられない」と説明した。 前兆すべりは、地震を起こすプレート(岩板)とプレートの境界が、地震の前にゆっくりと滑り始める現象。東海地震の予知を目指して、気象庁は東海地方に展開する観測網でとらえようとしている。 この理論では、東日本大震災の前に前兆すべりが観測されたはずだった。観測網は東海地方の方が充実しているが、マグニチュード(M)9.0という巨