ゲームが映画や小説といちばん異なるのは、「プレイヤー自身が作品に介入できる」という点だ。 たとえばアドベンチャーゲームでは、「選択肢を選ぶ」という形で、主人公=プレイヤーが選んだとおりに物語が展開する。RPGでは、敵を倒し経験値を得て「レベルアップ」という形で主人公=プレイヤーは成長していく。 そのようにして、プレイヤーは作品に介入していくなかで、だんだんとゲームの世界に詳しくなり、操作を上達させ、強くなっていく。ゲームの中で主人公が成長したとき、現実でプレイするわたしたちも、同じように成長しているのだ。 ゲームは古くからさまざまな手法で、ゲーム内世界に没入する工夫を凝らしているわけだが、こんなふうにプレイヤーが気持ちよく「成長の実感」を味わえるのも、ゲームというメディアの大きな特徴だと言えるだろう。 今回ご紹介する『A Short Hike』は、そんなゲームならではの「成長の実感」を、コ