年金は“お上のお慈悲”ではない。国民が保険料を支払った結果として得る当然の権利である。国は国民からお金を借りているといっていい。 しかし、国民に返済すべき借金は踏みにじられ続けてきた。年金制度開始以来、保険料が値上げされ続ける一方、1986年改正ではサラリーマンの給付額が25%カットされた。2001年には年金の支給開始年齢が65歳に引き上げられた。 その建前は高齢化、少子化、経済停滞、財政危機……。だが、それらはすべて年金改悪を正当化するための方便だ。年金官僚はまともな年金資金の運用を怠った上に、「年金財源は自分のカネ」とばかりに湯水のように流用してきた。全国に大規模リゾートを建設し、豪華官舎や専用のゴルフ練習場をつくるなど勝手放題。その総額は6兆8000億円に上る。 その結果、年金財政は破綻寸前まで追い込まれた。そこで年金官僚は必死に悪知恵を巡らせた。“どうしたら国民に知られることなく、