沖縄県知事選の告示を3日後に控えた8月22日夕、那覇市の野球場で佐喜真淳(さきまあつし)氏(58)の総決起大会が開かれた。推薦する自民、公明両党の幹部が東京から駆けつけ、陣営発表で1万人が参加。だが、肝心の佐喜真氏の演説が始まる前に席を立つ人が相次いだ。 「『今の知事が悪い』と言うけれど、(1人当たりの)県民所得はずっと全国最下位。その状況をつくったのは自民党の皆さんですよ」。上司の指示で参加したという60代の建設会社員はそう言って家路を急いだ。佐喜真氏の苦戦を象徴するような光景だった。 11日の知事選。重要選挙が続く沖縄の選挙イヤーの「天王山」は米軍普天間飛行場(宜野湾市)の県内移設に反対する現職の玉城(たまき)デニー氏(62)が佐喜真氏に6万4923票差をつけ、再選を果たした。 「玉城氏が勝ったというより佐喜真氏が負けた。あれもこれも逆風で、タイミングが最悪だった」。一夜明け、公明関係