雑事、雑用、雑務、雑音、雑念、雑談、雑草、雑魚(ざこ)…「雑」の字が付く言葉には、どことなく、「取るに足りないもの」「余計なもの」といったイメージがあります。この時季、たくましく伸びていく野生の草花が「雑草」の名前で呼ばれるのも、それらがやっかいものだと思われているから。「雑」のつくものは、本当に「いらない」ものなのでしょうか? 雑草の効用 ガーデニングや家庭菜園を楽しむ人にとって、生命力が強く土の養分を奪ってどんどんはびこる雑草は仇敵のような存在で、始末すべき(抜くべき)ものというのが「常識」です。しかし、「雑草が土をつくっている」と語るのは、リンゴの無農薬栽培を実現した木村秋則さん。「草の根のまわりには、草の種類に応じていろんな微生物や菌、バクテリアが集まり」「植物の種類が多いほど、土の中は多様な環境になり、連作障害や病気が発生しにくくなる」といい、木村さんの唱える自然栽培は静かに各地