(メイン画像:『ダークナイト』 ©Warner Bros. Entertainment Inc.) 「純粋なカオス」であろうとするジョーカーの圧倒的存在感 いくつも存在するバットマン映画のなかで、人気の高いクリストファー・ノーラン監督による『ダークナイト』三部作。その中でさらに圧倒的に評価されている作品といえば、宿敵ジョーカーとバットマンの戦いが描かれる、2008年公開の2作目『ダークナイト』である。 本作が支持を集める最大の理由は、ジョーカーの圧倒的な存在感にあるといえよう。映画やテレビドラマ、アニメやゲーム作品において、ジャック・ニコルソンやマーク・ハミルなど、様々な俳優がジョーカー役を演じているが、ヒース・レジャー版は、裂けた口や乱雑で剥げかけたメイク、振り乱した髪の毛、疲弊しているように見えながら切迫した態度でいることなど、その鬼気迫る印象は、コミック風の悪役キャラクターを演じてい