役立つと信じて伝えてきたものが、実はあまり役に立てていなかった。時代の移り変わりとともに「今、本当に必要とされているもの」を見いだした料理家コウケンテツさんの試行錯誤を聞く 生活が変わると、食に対する考え方も変わります── 。 料理家のコウケンテツさんは、さまざまなレシピを提案してきた。肉々しい「男飯」や「韓流レシピ」から「丁寧な家庭料理」、今は「頑張り過ぎない料理」を提案しつつ「食べるだけの人」に向けたメッセージも発信している。新著のタイトルは『本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ』。いわゆる料理本ではなくエッセイ集で、この数年でガラッと変わった食を軸にした価値観の変容を伝えている。 これには、トレンドの移り変わりだけでなく、働き方やコミュニケーション、社会情勢の変化なども深く影響している。生きることそのものである「食」から見える人々の価値観の変化を紐解く。 男飯、韓