たかが数十年と言われるインターネットの歴史であるが、先祖を遡れば19世紀まで行き着くという。いわゆるモールス符号などでおなじみの通信手段「電信(テレグラフ)」のことだ。本書はヴィクトリア朝時代のインターネットとも言われる「電信」の歴史を、ダイナミズムたっぷりに描いた一冊。 歴史は繰り返すとはよく言ったものだが、その模様が生き生きとしたエピソードとともに伝えられている。犯罪や軍事利用がサービスの普及に貢献したのは想像に難くないし、ソー活、ソーシャル婚、ハッカーなどの原型も1800年代のイギリスに見ることができるのだ。 このように歴史を辿っていくと、当然のようにその興味は衰退のメカニズムの方へと向かう。電信はやがて「話す電報」としての電話に取って変わられることとなる。ここで興味深いのは、電信によって世界が革命的に小さくなったことが、電話の躍進にも一役買っているということである。ネットワークサー
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