ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (14)

  • 生産性あれこれ - himaginary’s diary

    A Fine Theoremというブログで、シカゴ大学のChad Syversonが生産性について書いたサーベイ論文「What Determines Productivity」を紹介している(H/T EconAcademics.org)。 以下はそのブログエントリの概要。 SICの4桁分類を基に同一産業内の生産性の違いを調べたところ、上位10%と下位10%では平均して生産性に2倍の差があることが分かった(Chad Syverson (2004)[WP])。 Chang-Tai Hsieh and Peter J. Klenow (2009)[WP])は中国とインドではその差がもっと大きいことを見い出した。 この結果は生産性の異なる尺度や、差の評価に関する異なる手法に関して頑健である。 理論上は新規参入が自由に許されていれば低生産性企業は淘汰されるはずである。従って低生産性企業の存続は、新規

    生産性あれこれ - himaginary’s diary
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2013/04/24
    非生産性の原因を完全に要因分解するのは難しい。
  • 大きな都市ほど貧困率は低い - himaginary’s diary

    という研究結果を世銀の研究者ら(Céline Ferré, Francisco H.G. Ferreira, Peter Lanjouw)が示している(WP;UDADISI経由) 以下はその要旨。 This paper provides evidence from eight developing countries of an inverse relationship between poverty and city size. Poverty is both more widespread and deeper in very small and small towns than in large or very large cities. This basic pattern is generally robust to the choice of poverty line. The

    大きな都市ほど貧困率は低い - himaginary’s diary
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/08/05
    貧困は、大都市ないし巨大都市におけるよりも、極めて小さな町もしくは小さな町における方が広範囲に亘り、かつ深刻である。
  • ウィキペディアは政治的に偏向しているのか? - himaginary’s diary

    という点について調べた研究をconversable economistブログが紹介している(Economist's View経由)*1。 以下はconversable economistブログが引用したそのまとめ部分。 To summarize, the average old political article in Wikipedia leans Democratic. Gradually, Wikipedia’s articles have lost that disproportionate use of Democratic phrases, moving to nearly equivalent use of words from both parties, akin to an NPOV [neutral point of view] on average. The numb

    ウィキペディアは政治的に偏向しているのか? - himaginary’s diary
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/05/29
    市民権に関する記事は民主党寄りで、貿易に関する記事は共和党寄り。一方、外交、戦争と平和、中絶といった論議の的となる記事は中立的。
  • 各国プログラマーのステレオタイプ的分類 - himaginary’s diary

    タイラー・コーエンが、なぜソフトウエアでは一物一価の法則が成り立たず、米国や日企業は自国の高いソフトウエア技術者を使い続けるのか――香港やシンガポールや中国ではもっと安価で雇えるにも関わらず――という一読者の疑問をブログエントリ化した。それに対し250を超えるコメントが付いたが、予想される通り、ソフトウエア開発においては単なるコーディングだけではなく、発注元と発注先とのコミュニケーションが重要なウェイトを占めるのだ、という指摘が相次いだ。その中で、各国のプログラマをステレオタイプ的に寸評したコメントが少し面白かったので、以下に訳してみる: Well, while we are being rude let me speak… It’s not the individuals of course, but the culture. And culture is why Americans

    各国プログラマーのステレオタイプ的分類 - himaginary’s diary
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/01/15
    日本のIT産業は駄目、というのは残念ながらある程度世界の共通認識になっている。
  • 日本の失われた10年は嘘だった - himaginary’s diary

    というエーモン・フィングルトン(Eamonn Fingleton)の珍説をケビン・ドラムが紹介している。それによると、80年代のジャパン・バッシングに懲りた日の政府当局は、以来、GDPを低めに推計しているのだという。それによって欧米は日の低成長を憐れむようになり、日はバッシングされることなく引き続き輸出による成長を推進できた、との由。こうした操作が行われた一つの証左としてフィングルトンは、1990年代の日の一人当たり電力供給量が米国の2.7倍の速さで伸びたことを挙げている。 小生はこの人のことをあまり知らなかったが、ぐぐってみると著作の邦訳もあり、それなりに日でも知られた人のようではある。

    日本の失われた10年は嘘だった - himaginary’s diary
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2011/12/31
    80年代のジャパン・バッシングに懲りた日本の政府当局は、以来、GDPを低めに推計しているのだという。
  • ビッグマック指数へのある対策 - himaginary’s diary

    以前、アルゼンチン独特のインフレ対策(=公式発表と異なるインフレを推計したことに対し罰金を科す)を紹介したが、同国でまた別の独特の対策が取られたようである(ソースは[前回と同じく]Mostly Economics経由のタイラー・コーエン)。 きっかけはEconomist誌の今年1月28日記事の以下の図らしい。 以下はコーエンのエントリより: In other words, the real price of the Big Mac rose nearly twice as much as the official statistics were willing to admit, in Argentina of course. That’s not right, so the government sprang into action. The minister of the commer

    ビッグマック指数へのある対策 - himaginary’s diary
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2011/11/23
    今やマクドナルドの店舗では、ビッグマックは店頭から巧妙に隠されている。
  • 現在の米国は90-00年代の日本とは違う - himaginary’s diary

    として、ジョン・テイラーが以下の3つの相違点を挙げている。 1990年代、そしてとりわけ2000年代初めの日はデフレだった。1999年から2003年に掛けてGDPデフレータは下落した。米国ではそのような長期のGDPデフレータの下落は近年見られていない。 当時の日のマネタリーベース増加を自分が支持したのは、(M2+CDといった)マネーサプライの伸び率を復旧するためだった。自分が日銀のアドバイザーだった当時に示したように、貨幣成長率の低下が1990年代の日のデフレと経済の低成長の大きな原因だった。自分が財務省にいた当時に是認した2000年代初めの日の金融政策の目的は、あくまでも貨幣成長率を復旧することにあった。その点で、不動産証券価格や株価を一時的に押し上げることをしばしば正当化理由としている今日のFRBの量的緩和とは訳が違う。自分が日銀のアドバイザー当時に書いたこちらの見解を参照のこ

    現在の米国は90-00年代の日本とは違う - himaginary’s diary
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2011/11/06
    米国では長期のGDPデフレータの下落は近年見られていない。
  • 第一種過誤を恐れる物理学者、第二種過誤を恐れる経済学者 - himaginary’s diary

    CERNが光速を超えるニュートリノを観測したという今話題の発見に事寄せて、Econospeakでピーター・ドーマンが経済学者と物理学者の統計的過誤への態度の違いについて論じている。 以下はその概要。 今回のOpera(Oscillation Project with Emulsion-Tracking Apparatus)チームの発見について、プロジェクトに関わっていたメンバーの中には自分の名前を出さないように要請した者もいたという。 その理由は、これだけ常識を覆す発見だと、誤りである可能性もまた大きいからである。測定誤差が12メートルあれば、結果は引っ繰り返る。 後に誤りと判明した発見に自分の名を連ねた物理学者は、経歴に回復不能に近い傷を負う。以前説明したように、自然科学者は第一種過誤(偽陽性)を非常に深刻に受け止めるのだ。反面、第二種過誤(偽陰性)はそれほど問題にならない。 一方、経済

    第一種過誤を恐れる物理学者、第二種過誤を恐れる経済学者 - himaginary’s diary
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2011/09/26
    結果、物理学は時とともに進歩を重ね、世界の真の姿に近付いていくが、経済学は洞察と誤謬を共に積み重ねていく。
  • 行動経済学と情報公開 - himaginaryの日記

    ジョージ・ローウェンスタインのインタビューの拙訳を続けてきたが、今日がその最後: インタビュアー 金融改革の提案は情報公開を要とすることが多いです――例えば、仲買人がある商品を売る際にリベートをもらっているかどうか言うことを義務付ける、というような。そうした試みはうまく行きますか? ジョージ・ローウェンスタイン 利益相反について情報公開することは様々な思わぬ帰結をもたらす、ということに関しては有力な実証結果があります。 例えば、かかりつけの医者が利益相反の状況にあるとしましょう。もしあなたが臨床試験を受ければ、キックバックを得られるというような話です。その情報に対しあなたはどう反応するでしょうか? 大抵の人々は、医者を信頼し、その助言を受け入れます。しかし我々の研究が見い出したところによれば、助言を与える側の方に、情報公開したことによる変化があります。彼らは、助言が割り引いて受け取られるか

    行動経済学と情報公開 - himaginaryの日記
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2011/09/11
    問題は情報公開が良いか悪いかではなく――それは良いことなのです――それをいかに効果的なものにするか、ということ。
  • ABBAと一億総中流と製造業 - himaginary’s diary

    先ほどNHK-BSプレミアムでABBAを取り上げていたが、お金絡みのテレビ番組で挿入曲として良く使われる曲に、ABBAの「Money, Money, Money」がある。改めてこの曲の歌詞を読んでみると、仕事に追われて生活にゆとりがない女性が金持ちの世界に憧れ一攫千金を夢見る、という内容のようである。 まさにそうした拝金主義をノアピニオン氏が直近のエントリで批判し、ブログの昨日エントリへのコメントでご紹介いただいた。そのエントリで氏は、日ではそれほど給与の高くない仕事に就いている人もプロとして遇され、上記の曲の女性のように負け犬根性を持つことも無い、と書いている。ただ、同エントリのコメント欄では、小泉改革以降それも変わりつつあり、「一億総中流」という言葉は聞かれなくなった、という指摘がなされ、ノアピニオン氏もそれに同意している。 一方、そうした中流社会の崩壊は製造業の軽視によるものだ、

    ABBAと一億総中流と製造業 - himaginary’s diary
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2011/08/19
    経済が発展して裕福になるにつれて、製造業――「ものづくり」――は必然的に重要度が下がっていく。
  • 地産地消は環境に良くない - himaginary’s diary

    とEd Glaeserがボストングローブに書いている(原題は「The locavore’s dilemma」;Economist's View経由)。 その理由は以下の通り。 2008年のカーネギーメロン大学の2人の研究者の調査によると、米国産の物の消費は一家計当たり年間8.9トンのCO2に相当する温室効果ガスを生み出す。そのうち物の配送から生み出されるのは0.4トンである。また、農作物の供給網上の輸送から生み出されるものの総計は一家計当たり年間1トンである。 我々は、配送を縮減することによる環境へのベネフィットと、物を必ずしも最適ではない栽培地で生育することによる環境へのコストを比較衡量する必要がある。例: 最近の英国での調査によると、英国産のトマトの消費はスペイン産のトマトの消費の約3倍の温室効果ガスを生み出すという。寒い英国でトマトを生育することによって費やされる余分なエネルギ

    地産地消は環境に良くない - himaginary’s diary
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2011/06/22
    我々は、配送を縮減することによる環境へのベネフィットと、食物を必ずしも最適ではない栽培地で生育することによる環境へのコストを比較衡量する必要がある。
  • 収入と成績の関係 - himaginary’s diary

    について書いたマンキューブログのこのエントリの内容を簡単にまとめておく。 NYTのデビッド・レオンハートによれば、たとえ大学入学試験で同じ点数を取ったとしても、貧乏な学生は金持ちの学生に比べて不利な環境でその点数を取ったわけだから、よりポテンシャルがあると考えるべきだ、との由。然らば、大学の成績を被説明変数、入学試験の成績と学生の家庭の収入を説明変数に取った回帰を見てみたい。もしデビッドの言うことが正しければ、家庭の収入に対する係数は負になるはずだ。 追記:西オンタリオ大学のTodd Stinebricknerの私信によれば、彼は以前そのような回帰をしたが、係数はむしろ有意に正になったそうだ。ということは、デビッドの仮説は成り立っていないということだ。 ちなみにこのエントリを取り上げたMostly Economicsは、他に考慮すべき要因として 健康と教育の相関関係 貧乏な学生は家計を支え

    収入と成績の関係 - himaginary’s diary
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2011/06/01
    貧乏な学生は金持ちの学生に比べて不利な環境でその点数を取ったわけだから、よりポテンシャルがあると考えるべき。
  • 幸せな場所では自殺が多い〜日本の場合? - himaginary’s diary

    ブログの25日エントリには思わぬほど多くのはてぶを頂いたが、その後、そこで取り上げた研究はライブドアニュースでも紹介され、その記事を元に2chでもスレが立てられた。この問題に対する関心の高さが伺える。 また、ayakkaさんからは、日ではどうなのだろうかというツイートを頂いた。小生もそれは知りたいところであるが、個票データが無ければ分析はできないだろうと考えて、日で同等の研究が出るのを待つしかないだろうと思っていた。ただ、良く考えて見ると、都道府県別のランキングデータがあれば簡単な予備的分析はできそうなので、以下にそれを試みてみる。 まず、都道府県別の自殺率のデータであるが、ぐぐってみると厚生労働省のページが見つかったので、その10万人当たり男女総数のデータを利用することにした。 次に、幸福度のデータであるが、トップ10&ワースト10に関する記事は見つかったものの、完全なランキング

    幸せな場所では自殺が多い〜日本の場合? - himaginary’s diary
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2011/05/01
    都道府県別、自殺率順位・幸福度順位・他殺率順位。
  • 幸せな場所では自殺が多い - himaginary’s diary

    という主旨の論文がJournal of Economic Behavior & Organizationに受理されたという。書いたのは、英国のウォーリック大学のAndrew J. Oswald、NYのハミルトン大学のStephen Wu、そしてサンフランシスコ連銀のMary C. DalyとDaniel Wilsonという4人の研究者である。論文の原題は「Dark Contrasts: The Paradox of High Rates of Suicide in Happy Places」。 EurekAlertに紹介記事が載っているが(Economist's View経由)、それによると、今回の研究の特徴は、米国内のデータを用いて分析したことにあるという。以前から、幸福度の高い国で自殺率が高いことは知られており(特にデンマーク)、この研究でも、カナダ、米国、アイスランド、アイルランド、

    幸せな場所では自殺が多い - himaginary’s diary
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2011/04/26
    人々が周りとの比較で自分の状況を判断することによるのではないか、というのが著者たちの解釈。
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